【キーンランドC】秋の大一番に向けナムラクレア始動 穴候補は札幌OP・L組のゾンニッヒたち
穴は前走札幌のOP出走馬
昨秋、豪州のゴールデンイーグルを勝ったオオバンブルマイは、これがはじめての1200m戦出走となる。マイル前後で実績をあげており、距離短縮への不安もないわけではないが、母ピンクガーベラの母はルシュクルであり、近親にはキーンランドCを制したブランボヌールやスプリント戦線で活躍した快足ビアンフェもいる。むしろ1200mで覚醒していい血統だ。 前走GⅠ【2-1-2-12】勝率11.8%、複勝率29.4%。高松宮記念は【0-0-2-3】複勝率40.0%で連対がない。だが、該当5頭はすべて前走7着以下で、高松宮記念2着ナムラクレアに当てはめるのは早計な気もする。 昨年のこのレースでは前後半34.3-35.6のハイペースをシナモンスティックが逃げるなか、ナムラクレアは3コーナー過ぎから動いて、1馬身差。重馬場を苦にしない力強い走りが印象に残った。高速決着も苦にしないものの、時計が要する馬場に強いのも確か。馬場状態は問わない。 前走サマースプリントシリーズでは函館SSが【3-2-3-27】勝率8.6%、複勝率22.9%。着順の内訳では、3着以内【2-2-3-8】に対し、4着以下【0-0-0-18】と好走が大前提。ただし、1着【0-0-1-3】複勝率25.0%、2着【1-1-0-4】勝率16.7%、複勝率33.3%、3着【1-1-2-1】勝率20.0%、複勝率80.0%で惜敗馬が雪辱を果たすケースが多い。函館から札幌へのコース替わりも影響しているだろうか。サマースプリントチャンピオンに王手をかけたいサトノレーヴにとっては気になるところ。 ちなみに函館SSから連勝したのは、2010年ワンカラット、11年カレンチャンの2頭。ワンカラットはサマースプリントシリーズを優勝し、カレンチャンは次走スプリンターズSを勝った。サトノレーヴも続きたい。データ上、頼りになる2、3着はウイングレイテストがアイビスSDへ、ビッグシーザーは青函S6着経由でここにきたのでデータに合致しない。 前走札幌のOP・Lからここに来た馬は【2-3-1-46】勝率3.8%、複勝率11.5%。しらかばSとUHB賞がある。評価したいのは勝った馬【0-2-1-5】複勝率37.5%と6~9着【2-0-0-9】勝率、複勝率18.2%。キーンランドCの穴馬はここから出現する。今年はしらかばS勝ちのゾンニッヒ、UHB賞1着のプルパレイ、6着のダノンマッキンリーがいる。ぜひ買い目に入れよう。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳