ホンダ初の本格ミニバン 1990年代のホンダ復活の決定打は初代オデッセイではなく初代ステップワゴンだった
ホンダが三菱に買収される!?
逆に当時RVブームにしっかりと乗ったのが三菱。パジェロに加えてデリカスターワゴン、シャリオも人気となったし、なによりもバブル期に設備投資を抑えたことが奏功。加えて税制改正のタイミングに合わせて登場させた初代ディアマンテが大ヒットするなど業績は好調だった。 【ホンダ&三菱の日本国内シェア】※出典:日本自動車工業会統計データ 1990年:ホンダ(11.0%)/三菱(7.6%) 1991年:ホンダ(11.6%)/三菱(8.4%) 1992年:ホンダ(11.3%)/三菱(9.0%) 1993年:ホンダ(13.0%)/三菱(9.8%) 1994年:ホンダ(9.9%)/三菱(10.0%) 1995年:ホンダ(10.7%)/三菱(10.8%) 1996年:ホンダ(12.8%)/三菱(8.9%) 三菱のシェアは三菱ふそうを含むものだが、ホンダと三菱はトヨタ、日産につぐ3位の座をかけて熾烈な争いを展開していた。そして1994年、1995年は三菱がホンダを抑えて3位となっていたのだ。1994年には初代オデッセイ、1995年には初代CR-Vがそれぞれ大ヒットしていたにもかかわらず、ホンダは大きくシェアを下げている。 この頃に流れたのが、「ホンダが三菱に買収される」という噂だった。これはホンダのメインバンクが三菱と同じ三菱銀行(現三菱UFJ銀行)だったため流れた噂だったが、当時はかなり話題になっていた。
ホンダ復活の決定打
ホンダは1996年にシェアを大きく回復させた。クリエイティブムーバーと呼ばれる乗用車をベースとしたRVが大人気となった。第一弾の初代オデッセイ、第2弾の初代CR-Vが軌道に乗ったのも大きかったが、第3弾として登場したBOXタイプミニバンの初代ステップワゴンがデビューしたのが大きい。まさに決定打となったのだ。 クリエイティブムーバーは、「ホンダが作るRV」という付加価値がつき、ファンから絶大な支持を得たのだ。