【闘病】「まさか自分が」長女妊娠中に『特発性血小板減少性紫斑病』その経験をSNSで発信する理由
特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic thrombocytopenic purpura, ITP)とは、自己免疫異常によって血小板が減少することで全身から出血しやすくなるといった血液に関する症状が現れる疾患です。成人の場合は原因がわからないまま発症することが多く、国の難病にも指定されています。今回お話を聞いたAYAKOさんは、妊娠中に突然発症し、突然闘病生活が始まりました。特発性血小板減少性紫斑病とはどんな疾患なのか、AYAKOさんが病気を通じて学んだことや新たなチャレンジについてお話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年12月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
仕事と妊娠で充実した日々を突然襲ってきた病
編集部: はじめに特発性血小板減少性紫斑病について教えていただけますか? AYAKOさん: 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は血小板の表面の抗原に対して自分の抗体が反応し、血小板が脾臓で破壊される自己免疫疾患の一種です。厚生労働省の指定難病にも入っており、子どもや女性が発症しやすいそうですが、子どもの場合は感染症や予防接種で発症、私のような成人女性は突然発症して慢性化することが多いといわれます。 編集部: AYAKOさんの場合、自覚症状にはどのようなものがありましたか? AYAKOさん: 私の場合、一番分かりやすかったのは全身に現れた点状出血です。その当時私は妊娠中で、突然現れたので急いで近所のクリニックを受診しました。ほかにも歯を磨いた時に歯ぐきからの出血、鼻血が止まらない、便に血が混じる、月経で出血が止まりにくいなど、出血に関する症状が起こりやすくなりました。 編集部: 妊娠中の病気の発覚は、かなり大変だったことが想像できます。 AYAKOさん: はい。当時は長女を妊娠中で、妊娠後期に突然病気を発症したのでとにかく衝撃でした。 編集部: 病院ではどのような検査、説明がありましたか? AYAKOさん: 病院で骨髄検査を受け、「特発性血小板減少性紫斑病」と診断されました。発症してすぐは何ともなかったのですが、風邪をひくと血小板が3万くらいまで下がることもありました(正常値は15~40万)。医師からは「血小板が2万を切ったら入院してステロイドの治療を始める」と言われました。 編集部: 1回目の発症時は入院することなく、無事に出産されたそうですね。 AYAKOさん: はい、1回目は治療をしながら出産し、その後は寛解しました。 編集部: その後はいかがでしたか? AYAKOさん: 寛解から10年経ってから再発してしまいました。当時は認定こども園の教諭として忙しく働き、夫は単身赴任だったのでほとんどの家事や子どもの送迎を1人でこなしていました。ある時、急に胃の痛みを強く感じたため、近所のクリニックで胃カメラや検査を受けた結果「血小板が7万しかないから、すぐに大きい病院で診てもらうように」と言われ、総合病院を受診することになりました。 編集部: 再発が判明した時の心境はどのようなものでしたか? AYAKOさん: 「まさか!また自分が!」と思い、気分は沈んでどん底でした。入院になれば仕事もしばらくできなくなります。当時責任の重い仕事もしていたため、「自分はこれからどうなるのかな」と不安だらけでした。