3年以内に「35%が辞める」Z世代離職の3つの理由 「Z世代の離職」を防ぐ関わり方、組織の作り方
そう思われるかもしれませんが、そんなことはありません。 さまざまな経験を積み、会社に慣れ、年次も上がると、少しずつストレスに対する耐性がついていきます。そうなるとここまでする必要はありません。 ただ、それまでの間は不安も多く、ストレスを感じやすいため、こういった関わりが必要です。 3つ目が「キャリア形成の意識」です。 この世代は不景気しか知らない世代とも言われ、だからこそ安定志向の方が多く、今後の時代に必要な経験やスキルを身に付けたいというキャリア形成の意識が強い傾向にあります。
また、現代は市場の変化が激しく、さまざまな変化に対応できるようにするため、幅広い経験を積んでおきたいと考える人もいます。 例えば、営業であれば個人営業だけでなく法人営業も経験したい、1つの商材だけでなく複数の商材の営業を経験したい、などです。 また、「この会社では欲しい経験やスキルが得られない」と思うと離職を考えます。 ■キャリア形成をイメージできると離職を思いとどまる そうならないように、どういう経験やスキルを身に付けたいのかをよく聞き、それにまつわる仕事に優先的に関わらせることです。
すぐに本人が望む仕事を任せることができない場合は、担当してもらう仕事が将来望む仕事にどのようにつながるのか、それがどのようなキャリア形成につながるのかを説明したうえで任せることが重要です。 その説明の際に、事例を話せると説得力が増します。 当初は望む仕事をさせてもらえず、下積みのような仕事を担当させられたが、その後、望む仕事を担当させてもらうことができ、その中で下積みの経験が大いに役立っている。
そんな自身の経験や他の社員の事例を話せれば、納得してもらいやすくなります。 これらの説明もなく、本人の希望しない仕事を一方的に担当させ、「ここにいても必要なキャリアを築けない」と思われてしまうと、離職に向けて動き始めます。 上記のようなZ世代の特徴を考慮し、然るべき対応をとることで、離職はまだまだ減らせます。 こういった対応は社員全員でとることが必要です。そのためにも、まずはZ世代の特徴ととるべき対応を社員全員が理解することです。
そして、その対応がとれる組織作りをすることは、今後の企業の成長を図るうえで欠かせない要素となるでしょう。
藤田 耕司 :経営心理士、税理士、心理カウンセラー