【渋谷ハロウィンを負債から稼げる資産へ】警備費に1億円近くかけても経済効果は薄い、迷惑行為防止とマネタイズに必要なこと
これからの渋谷ハロウィンが見るべきこと
24年の渋谷ハロウィンは公式イベントとしては休止状態だったが、多くの訪日外国人、観光客が集まり、渋谷の観光ポテンシャルを再確認させた。ステークホルダーマネジメントは必ずしも渋谷区が主体にならなくてもよい。渋谷区や東京都などの行政機関が渋谷ハロウィンを池袋のようにすべてイベント化すると、これまでのいい意味での渋谷ハロウィンのカオスさが消えてしまうリスクもある。 渋谷ハロウィンを再構築したいと強く思う人や一企業が、非公式なリーダーシップを発揮して上記のステークホルダーマネジメントを行って開始するのも一つのアプローチである。その際には川崎の例から学んで、パブリックセクターもうまく巻き込みつつ、持続的な運営の仕組みへと発展させる必要もあるだろう。 渋谷ハロウィンを持続的な観光資源とするには適切なブランディングが必要であり、リアルとオンラインの両方を活用しどのような人に来てほしいか(どのような人には来てほしくないか)を明確にコミュニケーションし、来訪者のコントロールを意識する必要があるだろう。 (本稿の執筆では英国・ウエストミンスター大学院の池上剣太郎氏の協力をいただいたことを感謝する。)
池上重輔