【渋谷ハロウィンを負債から稼げる資産へ】警備費に1億円近くかけても経済効果は薄い、迷惑行為防止とマネタイズに必要なこと
ステークホルダーマネジメントの手法、難しさ
渋谷ハロウィンのマネジメント上の課題は、自然に広域で発生したゆえに多様なステークホルダーが存在し、そのマネジメントが難しいという点であった。実は地域のステークホルダーマネジメントの難しさはどの地域にもみられる。 これまで日本ではステークホルダーマネジメントが形式化されてこなかったが、今後はその巧拙が地域活性化を左右するであろう。ステークホルダーマネジメントの主なプロセスは下記のようになる: (1) ステークホルダーの特定:イベントに関連する全ての利害関係者(ステークホルダー)をリストアップする。一般的なステークホルダーには、主催者や運営スタッフ、参加者(観客・出席者)、スポンサーやパートナー企業、イベントが行われる地域やコミュニティの住民や関連団体、イベント開催に必要な許可を出す政府機関や規制当局。 (2) ステークホルダーの期待とニーズの把握:各ステークホルダーがイベントに期待すること、特に求めている利益や成果を理解する必要がある。例えば、参加者はイベントで有意義な体験を求め、スポンサーはブランド露出やリターンを期待、地元のコミュニティは経済効果や地域の発展を望むのか、静かな環境を望むのか。 (3) ステークホルダーのベネフィットデザイン:各ステークホルダーにどのようなプラス(便益)とマイナス(負荷)を提示するかを設計する。すべてのステークホルダーに同時に便益を提供することは難しいので、その順番をつけてもよい。 (4) コミュニケーションとエンゲージメントの計画:各ステークホルダーとどのようにコミュニケーションを取り調整するかを計画する。例えば、メールや会議などを通じてステークホルダーにイベントの進捗状況や計画を定期的に情報共有する。特に重要なステークホルダーには、特別な関係構築のための活動を行う。 (5) 評価とフィードバックの収集:イベント終了後にステークホルダーからフィードバックを収集し、その意見を基にどのように改善するかをまたコミュニケートする。