ノリックも大治郎も原田も昔は年中バイク乗り放題…制限だらけの今のライダーはどこでどうトレーニングしてるのか?
桶川でも最速を目指すわけ
小排気量のバイクで走る目的は「バイクに乗ってタイムを更新していく」ことにあり、そこから速く走るためのヒントが生まれる。タイトルを獲得したMoto2マシン、これから乗ることになるMotoGPマシンについては、1000ccの市販マシンでサーキット走行するときの方が「実戦的な練習になる」と語るが、そう毎日走れるわけではない。そのため小椋は日本にいるとき、朝起きて天気が良ければ桶川スポーツランドか近くのモトクロス場に行く生活を送っている。 そんな小椋を慕って多くの若いライダーたちが桶川スポーツランドに集まる。排気量の小さいバイクは体重の軽い子どもたちの方がスピードという点で圧倒的に有利だが、小椋はそれでも最速を目指す。なぜなら、最速の自分が若手たちの目標であることが「一番の指導方法だから」だと笑う。 ホンダ育成ライダーから卒業して今年は念願の世界タイトルを獲得した。来季は最高峰クラスのMotoGPクラスを戦う。「どんなトレーニングが必要なのかは、実際に走って行くことでわかってくると思う」という小椋だが、果たして今後どんなレースを見せてくれるのか。そして、どんな成長を見せてくれるのか楽しみである。
(「モーターサイクル・レース・ダイアリーズ」遠藤智 = 文)