なぜ仏1部の強豪マルセイユは長友佑都を求めたのか?
2日後にはさらに3人の感染者が確認され、8日間で3人以上の感染者が出た場合に試合が延期される規則が適用された。新規感染者は出ていないものの、今後の戦いを見すえたときに、コンディション調整などで大きく出遅れることが必至になったアマヴィの代役探しが急務となった。 当初はラ・リーガのアトレティコ・マドリードに所属していた、U-23ブラジル代表のカイオ・エンリケを候補にあげていたが、27日にリーグアンのモナコへ移籍したことで方針を転換。指揮を執って2シーズン目となるポルトガル出身のアンドレ・ビラス・ボアス監督の意向もあり、インテル・ミラノで濃厚な経験をもち、なおかつ移籍金が発生しない長友に白羽の矢が立てられた形だ。 それでも、オファーを受けるまでのさまざまな経緯も、試合出場にブランクが生じている状況も関係ない。いざスタートラインに立てば元U-21フランス代表で、2019-20シーズンのリーグアンで26試合に出場している26歳のアマヴィに、負けないだけの準備を整えてきた自負が長友にはある。 「体幹トレーニングをしすぎてもうキレキレ。身体は仕上がりまくっていますよ」 中断期間中にはこう豪語していた長友がマルセイユのユニフォームに袖を通せば、日本代表でも左右のサイドバックを担った酒井とリーグアンだけでなく、マルセイユが出場権を得ているUEFAチャンピオンズリーグの舞台でも共演する可能性が生まれる。まもなく34歳になる鉄人がヨーロッパの5大リーグに復帰すれば、さまざまな夢や希望、そして楽しみを日本サッカー界へ届けてくれそうだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)