欧州在住の長友佑都が切実警鐘「怖いのは医療崩壊」
日本代表史上で歴代2位タイとなる、122試合の国際Aマッチに出場しているDF長友佑都が、世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスによってもたらされるもうひとつの恐怖を訴えた。 今冬の移籍交渉がまとまらず、所属するトルコの名門ガラタサライの登録メンバーを外れた2月以降も本拠地のあるイスタンブールに残って調整を続けている長友は、日本時間の10日夕方に自身のツイッター(@YutoNagatomo5)を更新。135文字で綴られた呟きのなかで、チェゼーナおよびインテルの一員として約7年半にわたってプレーしたイタリアで、現在進行形で起こっている医療崩壊の現状を投稿。7都府県で緊急事態宣言が発令されたばかりの日本へ、あらためて注意喚起を促した。 <イタリアに住んでいる僕の知人の妻が癌で闘病中。イタリアは医療崩壊していて、予定していた検査や治療ができない状態。あと2ヵ月は検査を受けられないそうだ。>(原文のまま) 首都ローマを訪れていた2人の中国人観光客への検査結果を介して、イタリア国内で新型コロナウイルス感染者が初めて確認されたのは1月30日。ジュゼッペ・コンテ首相は翌31日に緊急事態宣言を発令し、イタリアの各国際空港と武漢を含めた中国各地を結ぶすべての航空便の運航を停止した。 新型コロナウイルス感染の発生源とされる中国との往来を、欧米各国に先んじて遮断したのが実はイタリアだった。衛生当局も素早い対応を見せてきたにもかかわらず、ミラノを州都とする北西部のロンバルディア州を中心に感染者が激増。3月10日からは移動制限措置が全土へと拡大されている。 その後も爆発的な勢いで増加していった感染者は、4月9日現在でアメリカ、スペインに次ぐ多さとなる14万3626人に到達。1万8279人を数える死者は世界最多となった過程で、医療機関が新型コロナウイルス感染者以外の患者を診ることができなくなっていると長友は警鐘を鳴らした。 <怖いのはコロナだけではない。医療崩壊で多くの人たちが犠牲になることだ。僕たち1人1人の自覚ある行動が多くの人たちを救う。>(同)