「おせちは“プチ富裕層”のもの」「お年玉は悪しき文化」今後、“生き残る”年末年始の風習は? 「風習の“仕分け”」で見えてくる日本の未来
“初詣”のアンケート結果は、100人中「必要」が66人、「不要」が34人でした。 今回あげた6つの中で最も「必要」の割合が高く、「正月に初詣はつきもの」「当然のことで行かない選択肢はない」「家族の恒例行事だから」などと具体的な理由があがらないほど、習慣が染みついている様子が伝わってきます。 安全や開運の祈願、お守りや破魔矢の購入と返納、おみくじや絵馬、参道の露店など、目的が多岐にわたることもあり、家族、カップル、友人同士の正月イベントとして若年層にも浸透しているのでしょう。
一方、「不要」の理由で多かったのは、「混雑が苦手」「行列に並ぶなら後日でいい」などでした。これらは昭和時代から初詣に行かない人の最たる理由だったことだけに、初詣にかかわるビジネスへの影響はなさそうです。 唯一、気になったのは、「境内でSNSやYouTube用の動画を撮っている人が増えたのがストレス」「盗撮されてネットにさらされたことがある」などの不穏な声。SNSへの写真だけでなくライブ配信なども含め、マナー違反を訴える声があり、年始最大の習慣に若干の影を落としている感があります。
■「お年玉はいらない」という子どもたちも 最後に“お年玉”のアンケート結果は、100人中「必要」が37人、「不要」が63人でした。 今回はお年玉をあげる側の大人向けアンケートだったからか、「不要」が多数派を占めましたが、その理由はさまざま。中でも「子どもがいないウチには不公平」「ふだんほとんど会わない親戚へのお年玉はムダ」「惰性であげているだけ」などと悪しき習慣とみなす人が増えた感があります。 また、都会の親子で目立つのが「お金は必要なときにあげる」という考え方。「ただ正月というだけであげる・もらう」のではなく、「ほしいものがあるときや頑張ったごほうびとしてあげる・もらう」という親子が増えているのでしょう。