台風の強さと大きさ「猛烈」や「大型で強い」の意味は?
中心気圧を示す「ヘクトパスカル」とは?
台風のニュースでは、こうした大きさと強さのほかに、中心気圧も伝えられます。「中心気圧は『950ヘクトパスカル』」などといった表現を聞いたことがあるでしょう。 ヘクトパスカル(hPa)とは、実は気圧など圧力の単位です。以前は「ミリバール」という単位を使っていましたが、1992年から国際基準に合わせて「ヘクトパスカル」を使用するようになりました。ヘクトは100倍という意味で、パスカルはフランスの哲学者で科学者「パスカル」から取られたものです。基本的に中心気圧が低ければ低いほど風は強くなります。
ただ台風の強さは「ヘクトパスカル」だけで決まるわけではありません。中心気圧の低さに比例して強くなるのではなく、気圧の傾斜のキツさで決まります。つまり、気圧の傾斜が急であればあるほど風は強くなります。分かりやすくいうと、テレビで見る天気図の等圧線の間隔が狭いほど、風が強いというわけです。 ちなみに、これまで910ヘクトパスカル以下で日本に上陸した台風はありません。これまでで最も中心気圧が低かった台風は、1951年の統計開始以降では、1961(昭和36)年の第二室戸台風で925ヘクトパスカル。その次に低い1959(昭和34)年の伊勢湾台風でも929ヘクトパスカルでした。統計開始以前の参考記録としては、1934(昭和9)年の室戸台風の911ヘクトパスカルがあります。