はやぶさ2、リュウグウ観測状況は? JAXA会見(全文4完)結果をゼロにしない
今後の帰還の軌道などに影響しないのか
東京新聞:では予想より、160キロぐらいって、戻ってきたことになるわけだと思うんですけれども。 久保田:まったく使わないっていうわけではなくて、もちろん使ったんですけども、今の残燃料の量から見ると、十分まだ余裕はあると考えてます。 東京新聞:セーフホールドになったことが今後の帰還の軌道とかそういうのに影響するっていうのはどうなんでしょうか。 久保田:それはまったくないです。直近に控えておりましたリハーサルにつきましてはちょっとスケジュールを変えましたけども、ローバ2につきましては9月下旬から10月上旬っていうのは特に変更なくできておりまして、期間に関しましても軌道を含めてまったく変更はございません。 東京新聞:分かりました。あと吉田先生にお伺いしたいんですけども、去年の記者説明会でもお話しになったと思うんですけど、あらためてデータ処理系に不具合っていうのは打ち上げ前からあったというふうな情報もあるんですけど、どういう理由でなってるのかっていうのと、あとさっきCubeSatの放出に役立てばっていうことで、せっかく今までずっと準備してきたっていうことなので、意気込みもお願いいたします。 吉田:昨年11月の8日にご説明をさせていただいた点でございますけれども、基本的には搭載のデータ処理系と呼んでいる部分がきちんと起動できないということでございます。この兆候は打ち上げ前の最終組立の段階から兆候は見えていたんですが、その後、一向に改善をしていないということであります。 さらに少し細かく申し上げますと、電源を投入して起動するときの内部のロジックの動きのタイミング、微妙なタイミングのずれによって処理系の初期値が正常にならないということで、その後の動作ができないと。一方で、同時に通信系のほうにも電源がいくんですが、通信系のほうは起動する、その手順は確認できていると、そういう状況が起きているということでございます。