「 リセール すれば儲けになる」「後で買うなら実質無料」。リセール 企業が提案する、新たな価格重視の動き
今後は「サステナビリティ」がカギに
顧客がヴェスティエール・コレクティブで買い物をする一番の理由は、サステナビリティよりもむしろ手ごろな価格、次いで信頼にあるとヴォン氏は自社データを引用しながら指摘した。とはいえ、サステナビリティが年を追うごとに重要な要素になっているのも事実だ。「顧客は、経済的にも地球にとっても、そしてサプライチェーンに関わる人々にとっても、よい消費の方法が絶対に何かあると気づきはじめている」。 ヴェスティエール・コレクティブはこれまでも販売商品のリセール価格と小売価格を比較してきた。しかし価格に関係なく、高品質の商品を購入した人は、その商品を丁寧に扱いリセールに出す傾向にあると同氏は言う。 今後の動きとしてヴェスティエール・コレクティブは独自のロイヤルティプログラムを展開し、会員がリセールで稼いだお金を「財布」に追加し、そこから寄付したり、家具などのヴェスティエール・コレクティブで販売していないものにも投資したりできるようにしたいと考えている。「どんな業界であれ人々が循環性を受け入れるようになれば、生活のほかの部分においても循環型消費を検討するようになる可能性が高い」。 まもなくフランスではファストファッション禁止法が施行されるが、ZARAなど同法の影響を受ける可能性のあるブランドが値上げをはじめているとヴォン氏は指摘した。たとえば同氏は最近、ZARAのジャケットが700ドル(約10万5000円)で販売されているのを見かけたという。 「サプライチェーンを変えたり、生産ペースを遅らせたり、労働者の賃金を上げたり、より高品質な商品を生産したりしない限り、価格を上げたところで意味がない。しかしもしブランド自らが変わるならば、もちろん我々ヴェスティエール・コレクティブは、そうしたブランドをこのプラットフォームにまた迎え入れるつもりだ」。 [原文:Fashion Briefing: For resale companies, luxury spending dips ─ and girl math ─ are inspiring new price-focused initiatives] JILL MANOFF(翻訳:SI Japan、編集:都築成果)
編集部