「 リセール すれば儲けになる」「後で買うなら実質無料」。リセール 企業が提案する、新たな価格重視の動き
スターバックスを我慢すればルイヴィトンが手に入る?
Rebag+が顧客にどのような利益をもたらすかについてのゴーラ氏の説明は、女子たちが自身の購買行動を正当化させるための都合のいい方程式「ガールマス(Girl Math)」という造語から生まれたTikTok動画を想起させる。しかしゴーラ氏はこれを「スマートマス(Smart Math)」と呼ぶ。「リバッグの入門的な購入金額は500ドルから600ドル(約7万5000円~9万円)だが、それでもほとんどの人にとって高額だ」と同氏は分析する。「しかし月額50ドル(約7500円)なら、その10分の1にすぎない。週に換算すれば12ドル(約1800円)、スターバックス(Starbucks)でカプチーノやフラペチーノを2、3杯飲むのと同じだ。それらを我慢すれば、ルイヴィトン(Louis Vuitton)が手に入る」。 リバッグの顧客のなかでもたとえばセリーヌ(Celine)やシャネル(Chanel)のバッグを毎年購入している人たちは、エルメス(Hermès)のバーキンを購入するために節約できるタイプだとゴーラ氏は見込んでいる。さらにルイヴィトンの商品を買い慣れている人は、R+ Creditを活用してシャネルに買い替えるだろう。なお同社によると、リバッグの平均注文額は2000ドル(約30万円)である。 「現在我々が暮らしている世界ではインフレが進み、あらゆるものが高価になっていることは理解している。クレジットカードで1回に2000ドルから3000ドル(約30万円から45万円)も支払うのは、近年ではさらにハードルが高くなっている。この方法ならばそんなことをする必要はない」。 新たなメンバーシッププログラムの詳細は、特に顧客アンケートやインタビューなどの調査テストで決定した。Rebag+プログラムは今後も会員活動を基盤に進化していくだろうとゴーラ氏はみている。 「D2C企業は新規顧客獲得による成長を重視する傾向がある。しかしリバッグにとっての次世代型成長とは、これまでに構築した関係を活用することにある。同社はこれからも熱心にリバッグとの旅を続けたいと切望している顧客に働きかけ、そうした顧客を特に大切にし、それに見合った報酬を与えたいと考えている」。