「 リセール すれば儲けになる」「後で買うなら実質無料」。リセール 企業が提案する、新たな価格重視の動き
Rebag+のメンバーシップモデルとその利点
「スマートマス」のほかにもゴーラ氏はさまざまな比較やフレーズを使ってRebag+の特徴を説明した。そのうちのひとつが、車購入と「逆予約販売(reverse layaway)」だ。家具やインテリアを取り扱うレストレーションハードウェア(Restoration Hardware)のメンバーシップモデルのように、今後リバッグで販売される商品には会員価格と非会員価格が用意される。また動画配信プラットフォームのNetflixのように「1カ月間視聴できなくても、無意味に料金を払わなければならない」というモデルとは違い、リバッグのこのプログラムへの参加費は一切かからないとゴーラ氏は話す。 リバッグではこれまで収益源や機能を試験的に導入し、さらにはテクノロジーのイノベーションも積極的に活用してきた実績がある。同社の価格設定AIツール「クレア(Clair)」はその証といえる。2022年には継続はしなかったもののオンサイトオークションをローンチした。同年には「Rebag Wallet」も導入し、出品者がそのプラットフォームで稼いだ収益をリバッグで消費してもらうことを狙った。そして2023年後半には委託販売モデルを導入し、これは現在も「ビジネスにおける相当な割合」を牽引しているとゴーラ氏は説明した。委託販売をはじめるまで、リバッグは販売している商品を買い取るだけだった。同社売上の70%から75%はハンドバッグが占めており、残りのほとんどがジュエリーと腕時計である。 ほかのリセール企業が小規模業者を買収したり新たな企業が市場に参入したりするなかで、リバッグは競争激化に直面している。さらにゴーラ氏が指摘するように、成長を目的とした資本調達がこれまで以上に難しくなっている。同社は現在まで1億300万ドル(約155億円)を調達してきたが、「企業を経済主体として継続させるには、より大きな資産基盤が必要だ」と同氏は話す。「ありがたいことに我々は現在、この市場で大手に数えられる企業だ。今後この市場は間違いなく自然淘汰が進むだろう」。 同氏はRebag+に関して、サイトにおける会員価格が買い物客の関心の向上につながると期待している。またソーシャルメディアやインフルエンサーによる投稿、rebag.comのランディングページでリバッグはこのプログラムのメリットを説明している。一方でeメールや1対1のやりとりは、上位顧客に最新情報を提供する役割を果たしている。マーケティングで利用するメッセージングは、主に目標商品を獲得するための「節約」というコンセプトと、どのようなメンバーシップがさまざまなタイプの顧客に最も適しているのかを見極めるためのバックトラッキングが中心となっている。 「我々は顧客を投資家に変えようとしている。これは単なる消費ではなく、資産の構築なのだ」。