安倍首相が自民総裁に連続3選(全文1)森友加計問題、求めあれば丁寧に説明
現職の総理大臣が総裁選挙に臨むのは15年ぶり
さて、現職の総理大臣が総裁選挙に臨むのは15年ぶりのことでありました。2003年の小泉総理の総裁選で、私は小泉陣営の対策本部で全力を尽くしておりましたが、得票は60%にとどまりました。本当に厳しい選挙でした。99年の小渕総理の得票も68%。現職総理だからといって楽な選挙など決してありません。しかし、今回はこうした過去の例を上回る、全体で7割近い得票をいただくことができました。これは私にとって大きな力であります。あらためて感謝を申し上げたいと思います。皆さんの支持こそが政策の推進力であり、リーダーシップの源流であります。そのことを私はこれまで5回の国政選挙において痛感してまいりました。 集団的自衛権の一部行使を含む平和安全法制、消費税の使い道の見直しによる教育無償化。国論を二分するような改革も国政選挙で国民の皆さまに信を問い、支持を得ることで実現することができた。これこそ民主主義の神髄、民主主義のダイナミズムであります。 全ての世代が安心できる社会保障改革。戦後日本外交の総決算。そして制定以来、初めての憲法改正。いずれも実現は容易なことではない。いばらの道であります。党内の議論も他の政党との調整も一筋縄ではいかないかもしれない。しかし、今回の総裁選挙を通して党内の大きな支持をいただくことができました。これはこれから3年間私が自由民主党総裁として強いリーダーシップを発揮できる、党一丸となって大改革を断行する大きな力になるものと考えます。私からは以上であります。 後藤:ありがとうございました。それでは代表質問に移ります。平河クラブ、幹事社の時事通信、日本テレビ、西日本新聞の方、お願いいたします。どうぞ。
今回の総裁選で3選を果たした一番の要因とは?
時事通信:総裁、お疲れ様でした。幹事社、時事通信の宮澤と申します。まず1点。今回の総裁選で3選を果たした一番の要因はなんだとお考えでしょうか。また総理の政治姿勢に批判的な見解を示しておられました石破候補が国会議員票で73票、党員票で181票、全体で3割を超える得票を得たことを踏まえまして、今後の政権運営をどのように進める方針でしょうか。 さらに森友・加計学園問題をはじめとする一連の不祥事について、党員から理解を得られたとお考えでしょうか。 安倍:これまでの6年間の経済政策、あるいは外交、安全保障政策について、そうした実績の上にこれから国難とも呼ぶべき少子高齢化に立ち向かっていくということ。そして国際情勢の荒波に立ち向かっていくその中で、戦後外交の総決算を行っていくということ等について具体的な政策を示させていただいたところでございまして、私の訴えに対して力強いご支持をいただいたというふうに考えております。 選挙はすべからくそうでありますが、選挙に勝利を収めた以上、選挙でお約束をしたことを実行に移していく責任があります。自由民主党というのはいったん選挙で決着が付けば、議論が終結に至ればみんなで協力をして、そこで約束したことを実行に移していく。そのことで長い間、戦後の背骨を背負うことができたんだろうと、こう思っております。自民党は活発な議論を行いますが、いったん結論が出れば実現に全力を尽くす。それが自由民主党の伝統であり矜持だろうと、こう思っています。 また今回の総裁選挙においても、いわゆるモリカケ問題については、テレビ番組は、あるいは日本記者クラブにおいても大変多くの時間が割かれて、私も説明をさせていただいたところでございます。一度出来上がったイメージを払拭することはそう簡単なことではありませんが、私なりに説明に努力をしてまいりました。その上において、選挙の結果支持を得ることができたと考えております。これからも求められれば丁寧に説明を行っていく考えてあります。 併せて内閣総理大臣という立場が周囲に与える影響力等にしっかりと留意をしながら、今後も謙虚に丁寧に、そして慎重に政権運営に当たっていきたいと考えております。 【連載】安倍首相が自民党総裁に連続3選 全文2へ続く