70歳エッセイストがやむをえない事情で小さめの冷蔵庫を買うことに。それで得られた<意外なメリット>とは
総務省の発表によると、2023年の70歳以上人口の割合は23.2%だったそう。約4人に1人が70歳以上であるなか、70歳を迎えたエッセイストの中山庸子さんは「したくないことや嫌いなものを明るくやめれば、新しい幸せが作れる」と語ります。そこで今回は、中山さんが「これってやめていいんじゃない」を100個ピックアップした著書『やめると人生ラクになる 70歳を越えたらやめたい100のこと』の中から一部を抜粋してご紹介します。 【書影】長年溜まりに溜まった、人生と暮らしの垢落とし。中山庸子『やめると人生ラクになる 70歳を越えたらやめたい100のこと』 * * * * * * * ◆重たい鍋 「ヨッコラショ」を減らすために別の用途を考えた フランス製の重たい琺瑯(ほうろう)鍋の底の一部分が欠けてしまいました。 とても気に入っていたので、取り扱っている店で修理できるか聞いたところ、残念ながら難しいとのこと。 買い直してもいいけれど、重いしなぁ……で、大きいフライパンもやめたところだったから、重い鍋もやめよう! となりました。 割れていない楕円形の(もっと重たい)琺瑯鍋は、娘宅で働くことになり、再就職先が決まってホッ。 ステンレス製の両手鍋は、琺瑯のほどおしゃれじゃないけれど、本当にラク。当たり前ですが、鍋にはたいていたっぷりの具材と液体が入りますから、腕にも腰にも負担がきます。 今ではキッチンで「ヨッコラショ」という回数が、格段に減ったはずです。
◆琺瑯鍋の新しい仕事 で、そのフランス製の重たい琺瑯鍋なんですが、私はどうしても捨てる気になれず、別の役割を彼女(白くておしゃれさんなので勝手に女性代名詞で)に与えたんですね。 次に出てくる冷蔵庫の話にも若干関連するのですが、今までスープ作りに活躍してくれた彼女の今の仕事は、スープにする前の生のジャガイモやタマネギの保管なんです。 以前は、鍋を入れるのは深くて大きい一番下の抽斗(ひきだし)だったので、これも将来、ぎっくり腰の原因にならないとも限らない。重たい鍋が減ったのをきっかけに、真ん中のやや浅めの抽斗に収納可能になりました。 抽斗の中からキッチンの棚に配置替えをされた白い彼女、なかなかの存在感を放っています。
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