「困ったら相談してね」が最悪のすれ違いを生む…仕事のトラブルを未然に防げる人が伝えている"効果的な一言"
どうすれば仕事上のトラブルを減らせるのか。コピーライターの藤田卓也さんは「誰かに相談や報告をしてほしい時に『困ったら相談してね』と言うのはおすすめできない。問題が深刻化してからようやく相談されるリスクがあるからだ」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、藤田卓也『伝え方で損する人 得する人』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。 ■40年以上の歴史を持つ「報連相」 報告・連絡・相談。この3つをよく「報連相(ほうれんそう)」とまとめて呼びます。今ではすっかり浸透しているこの言葉、1982年に当時の山種証券社長だった山崎富治さんが提唱したものです。社員が1000人を超えてきたため、企業文化を進化させたい。その思いから編み出されたのが報告と連絡と相談を推進すること。 40年以上の歴史があるわけです(余談ですが、報連相により会社に力をつけてくれる人のことを“ポパイ社員”と呼んだり、イエスばかり言う人間だらけでは報連相文化が育たないことを「賛成」と「酸性」をかけて“ほうれんそうは賛成土壌には育たない”と表現したり、ムーブメントを広めるため社内で本当にほうれん草を配ったりしたそうです。いずれも記憶に残るキャッチーさがありますし、浸透させるための地道な努力の大切さを痛感します)。 ■忘れてはならないのは「報連相」の目的 これだけ長く親しまれ、浸透もしている報告・連絡・相談ですが、忘れてはならないのがその目的です。何のためにするのか、目的をはっきりさせておかないと思うような結果につながりません。伝え方が曖昧になってしまうのはもちろんですが、こちらはアドバイスが欲しくて伝えたつもりが、受け取った方は単なる連絡だと思ってしまうといったすれ違いが起きてしまうからです。目的は大きく3つあります。 ①意思決定:議論を行い、今後の進め方を決めたい ②情報共有:情報を知ってもらいたい。関連情報を教えてほしい ③フィードバック:アドバイスをもらい、より良い打ち手を考えたい あなたが今必要なのは、この中のどれでしょうか。まずは自分の中ではっきりさせておきましょう。ちなみに、報告・連絡・相談は「報告」から始まっているので対上司向けと思ってしまいがち。実際は、同僚・部下・関係部署・取引先など相手は多岐にわたります。ここでも、上司に限らずさまざまな相手に伝えることを前提に構成しています。