「信じられない」「初めて見ました」 タチウオ釣りで目を疑う1匹 驚きの個体、実際の味は?
天然色素のアスタキサンチンは、サケやエビ・カニなどに含まれていると言われている。当事者の大学生は「私もアスタキサンチンの影響が高いと思っています。タチウオは群れで東京湾に限らず広い範囲で回遊しており、相模湾の方ではオキアミをまく釣りが主流なので、若魚のうちにそのオキアミをたくさん食べて育った個体なのかな? と考えています。理由としまして今回釣れたタチウオの胃袋の中身を10本ほど見たのですが、甲殻類やオキアミのような残骸はなく、イワシのみだったので、“生物濃縮”に基づいて分かる範囲の釣りの知識からこのように考えました」との見解を示す。 なんと、大胆にも実際に食べてみたという。「皮目を炙ってお刺身をひと切れだけ食べたのですが、他の個体と変わりませんでした。ただ少しアミ臭いような?? という感じで、リプ欄で『脂がノっている』とおっしゃる方が多かったですが、脂のノリ方も変わりなくでした。体調面も全然大丈夫です!」と明かす。貴重な食リポだ。 5年近くタチウオ釣りを重ねてきて、これまで約1000本のタチウオをさばいてきた。その中で、「このような個体に出会ったのは初めてて本当にびっくりしました。私自身も高校時代に生物学を選択して勉強していたので、もし“生物濃縮”という仮説が合っていれば、『食べたものが体色に影響する』という現象を目の当たりにできてとてもうれしいです」。新鮮な発見に目を輝かせる。 偶然の釣果が大きな反響を呼んだ。世にも珍しいタチウオにワクワク感とロマンが広まり、「このような自然の神秘は意図的に見つけられるものではなく、生き物の世界では“アルビノ”や“奇形”に近いものなのかなと私は考えております。いつかこの原因の答えを知りたいですし、ご希望がありましたら、またこのようなタチウオが釣れたら研究所に提供もしたいなと思っています!」。これからのタチウオ釣りに、とびきりの楽しみが増えそうだ。
ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム