「リフォームは3月までに急げ」は本当? 2025年建築基準法改正がリフォームに影響する“これだけの理由”
2025年4月、「建築基準法」が久しぶりに改正されます。この法改正の影響はかなり大きく、建築やリフォームに携わる人々の間で話題となっているのですが、一般の消費者にとってはまだ十分に理解されているとは言えません。 【一覧】改正後、新たに影響をうけるリフォーム5つとそうでないリフォーム6つを見比べて一気に見る 一方で、近々、家を建てたりリフォーム工事を考えている読者なら「リフォームは3月までに急げ」「今すぐ工事しないと大変なことに!」といった煽り文句の広告を目にしたことがあるのではないでしょうか? 法律や制度が改正される時期につきもののこれらの広告は、一見すると急いで契約をしなければ後悔するかのような印象を受けます。しかし、その多くは消費者の知識不足を突いた誇張であり、不必要な不安を煽るものが少なくありません。 もちろん、今回の法改正には一般住宅の新築やリフォームに影響を与えるものも含まれています。悪質な業者による過剰なセールストークに引っかからないためには、法律改正の本質と実際の影響を正しく理解することが重要なのです。 そこでこの記事では、法改正の目的や具体的な変更点を解説するとともに、特に影響が大きい「一般住宅のリフォーム工事」について、どのような点に注意すべきか、さらに悪質業者を見分けるためのポイントを紹介したいと思います。
改正で変わる「普通のお家《おうち》」の扱い
今回の法律改正の主な目的は「建築物分野における省エネ促進と、木材利用の促進」と、一見すれば「大したことなさそう」なものです。 でも、実際には様々な改正が盛り込まれているのです。とりわけ、リフォーム工事を考える一般消費者にとって大きなポイントとなるのが「4号特例の縮小」です。 この「4号」とは、建築物の分類のようなもの。木造建築の場合、これまで「2階建て以下かつ、床面積が500平方メートル(約150坪)以下のもの」は「4号建築物」に分類されてきました。要するに「一般人が持つことが可能な日本の普通の家」は、ほぼ全て「4号」だったのです。 赤い屋根が印象的なのび太くんの2階建てのお家も、世田谷の大きな平屋が有名なサザエさんのお家も、どちらも「4号建築物」。そしてこれら建物がこの春の改正により、全ての2階建てと大きな平屋は「2号建築物」に、延床面積200平方メートル(約60坪)以下の平屋は「3号建築物」に再編されてしまいます。 先の例で言えば、のび太くんの家は2階建てなので「2号」です。サザエさんの家は大きいですが、さすがに60坪もなさそうなので「3号」になると思われます。 さて読者の皆さんの大切な我が家が「旧4号」から「新2号」や「新3号」になったとしましょう。それで何が問題になるのでしょうか?