「長年の調査で判明」「あぁ、やっぱりね…」ブラックバスの胃の内容物、よく出てきた魚は…?
ギルが生息していなくても釣れるのが『ギル』ルアー
最後に、ギル型を含めた扁平なルアーが持つ幻惑効果についてお話したいと思います。 『形状が変化し続けるルアーは見切ることができない』 これは、一部でささやかれているバスフィッシングの説です。例えば、ストレートワームやラバージグなどのルアーは、シェイクしている間は形が変化し続けるため、バスが偽物だと見切ることができないという説です。 扁平な形状は、垂直方向と水平方向の面積が極端に異なります。幅広と幅狭の両極が交互に、もしくはイレギュラーにアクションし、その動作を繰り返すことで上記と同じような効果が出やすなるのが、ギル型ルアーなのではないか? という考え方です。 例えば、ノリーズのフリップギル。このルアーは特別薄く作られていますが、横から見ている大きさと、正面から見ている大きさがあまりにも異なることから、その要素がバスを惹きつけているのではないかと考えています。 以上、様々な角度からギル型ルアーに関して考察してみましたが、いかがでしたしょうか? ここまで書いておきながら、私としても、なぜ釣れるのかを本当はよく理解していないというのが本音です(笑)。 理屈から生まれることの方が少ない… これは釣れるルアーの傾向として言えることなのですが、テストの結果としてはよくわからないがたくさん釣れた、というルアーが後に名作となるパターンが圧倒的に多いのです。 例えば、定番となったバズベイトやスピナーベイトが理詰めによって誕生したとは到底思えないのです。おそらく「試してみたらよく釣れた」もしくは「ネタで作ってみたが何故か釣れて定番化した」のどちらかでしょう。 しかし、アングラーにとっては、理屈はどうであれ釣れることが大切です。ギル型ルアーも同様で「確実に反応が良い状況がある」という点を理解していることが何よりも重要なのではないでしょうか? ブルーギルがほとんど生息しないフィールドでも効果的なことがありますし、特定の時期だけ強烈に釣れる場所も存在します。 「今投げているルアーに反応が鈍いので投げてみる」 …まずは、そういった認識が必要なのだと思います。
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の『奇人』。