「長年の調査で判明」「あぁ、やっぱりね…」ブラックバスの胃の内容物、よく出てきた魚は…?
“ラージマウス”バスに好まれるギルのサイズとは?
バスにとっては、ブルーギルは、オイカワのように浅い場所や水面に追いやって捕食するような追い込み型の狩りで捕食するスタイルとは異なり、静かに身を潜めて待ち構えることで、至近距離で一気に捕食する吸い込み型の捕食スタイルで狩りを行います。 そのため、ブルーギルがメインベイトとなってくるフィールドでは、ほとんどのケースでバスの口径が大型化する傾向が見られます。これは、一気に餌を吸い込むときに有利になるためだと考えられます。 バスの好物とされているブルーギルですが、実際に調べてみると、その捕食されているサイズは想像と異なることが分かります。実は、私たちアングラーが考えているより、はるかに小さなサイズが数多く食されているのです。 これが何を示すのか。バスという魚の性質にも繋がる部分なのですが、一般的にアングラーがよく使うとされる、3~4in(10~12cm前後)程度のギル系ルアーサイズのブルーギルが食べられていることは、ほとんどありません。 それは、バスが餌を口にした際、我々人間のように歯を使って食材を嚙みちぎることができないためです。つまり、バスは自身の咽喉部の広さ以上のブルーギルを飲み込むことは物理的に難しいのです(もちろん、55cmを越えてくるようなランカーサイズのバスに関しては、大きなブルーギルを捕食対象にしているのですが…)。 バスの平均的サイズ、たとえば40cm前後のバスにとって、ブルーギルは格好の餌ではあるものの、4~5cm程度の小型のギル以外は大型の鯉やニゴイと同様、食べることができない存在なのです。 にもかかわらず、バスは、確実に大型のギルルアーを口にします。これは何故か? バスの食性とは異なる要素でのバイト… いわゆる好奇心による「リアクションバイト」の割合が実は高いのではないかと私は考えています。 ルアーフィッシングは多彩な要素によって成立しています。マッチ・ザ・ベイト的な一面的な見解だけではなく、様々な角度から考え、理解する必要があります。そう考察していくと、従来捕食しているベイトとはかけ離れたサイズや形状のルアーを口にするバスの行動は、マッチ・ザ・ベイトだけで理解するのには少々無理があることが分かります。