かんぽ生保問題 日本郵政社長らが辞任会見(全文1)足元を見ていなかった
築城三年、落城三日
従いまして、私も新しいレベニュー、新しい収益をどうやってつくるんだと。M&Aだけではありませんけども、M&A、投資、いろいろ考えて、企業との提携に日々、全身全霊で尽くしていたつもりですけれども、大きな経営者としての欠陥があったとすれば、足元、肝心の足元を見ていなかった。日頃からコンプライアンス重視と言っておりました。築城三年、落城三日。これで一瞬にして失うんだと言っておりましたけれども、言っていた本人が、まったくその辺がちょんぼだったというのがございます。 従いまして、山田さんの今のご質問は、何か大きな環境があって、それで今回、経営で失敗したんじゃないかというお問い掛けかと思いますけれども、やるべきことをきちんとやるという経営の基本路線を踏んでいれば、非常に難しい環境にある会社の経営ではあったと思いますけれども、十分にやれたはずなのに、こういうことで皆さまにご迷惑をお掛けし、大事件になり、国民に迷惑を掛けてるというのは、ひとえに私自身の経営力のなさと思っております。環境のせいではないと、深く反省してございます。 司会:ほかにご質問のある方は挙手をお願いいたします。すいません。 長門:答える。 司会:よろしいですか。 長門:それぞれに。
制約を外すのが筋ではないか
横山:いいですか。今のご質問の、どうしてうまくいかないのかということについて、その直接的なご質問の回答じゃなくて、経営上、何が難しいのかという観点で私、申し上げたいと思いますけれども。 私どもの仕事、全国の2万4000の郵便局におきまして、ゆうちょ、かんぽ、そして郵便というユニバーサルサービス、これを行うことを国から委託されているわけでございます。しかしながら、実際にビジネスをやっていく上におきましては、さっき長門も申し上げましたけれども、商品性の問題等々、いろんな制約、手かせ足かせもあるということでございます。従いまして、こうした、全国的にそうしたユニバーサルサービスを行うのであれば、制約を外していただくということが筋ではないかというふうに私は考えております。 そういう中で、私どもの仕事の中で見ますと、宅配事業、これはそうした制約はございませんわけでございます。従いましてこの2年ぐらい、宅配ビジネスの抜本的な強化を行いまして、いろんな観点で商品性もアップさせまして、戦略の再構築をいたしました。その結果、3~4年前と比べると、この宅配ビジネスが経営全体に奏功いたしまして、営業利益で見れば従来とは異次元の水準の、2000億近い利益を上げるような会社になったということは、やはり制約がないというビジネスをしっかりやれば、こういう状態になるということではないかというふうに考えております。 【書き起こし】かんぽ生保問題 日本郵政社長らが辞任会見 全文2へ続く