太陽系外惑星が次々と発見されているのはなぜ? 地球に似た星はあるの?
生命が存在する地球、そして地球を含む8個の惑星がある太陽系は、宇宙の中で特別な存在なのでしょうか? どうやら、それは違うようです。太陽以外の恒星の周りを回る「太陽系外惑星」が今、次々と見つかっているのです。 太陽系外惑星は、太陽以外の恒星の周りを回る惑星です。太陽以外の恒星、つまり夜空に見える星のほとんどは、太陽と同じように自ら光と熱を出して輝いています(例外は金星や木星といった太陽系の惑星で、太陽の光を反射して光っています)。そして太陽の周りを地球が回っているように、夜空に輝く恒星の周りにも惑星が回っているのです。 太陽系外惑星は恒星に比べて小さく暗いため、なかなか見つかりませんでした。しかし、「夜空にたくさん見えている恒星と同じなのに、太陽だけは特別に惑星をもっている」というのも、科学的に考えると腑に落ちないところがあります。多くの天文学者らが長年の探査を重ね、1995年、スイス人天文学者のミシェル・マイヨール氏によって、ようやく太陽以外の恒星の周りを回る惑星が初めて発見されました。 マイヨール氏はこの6月、“日本のノーベル賞”とも言われる「第31回京都賞」の基礎科学部門に選ばれました。科学や文明の発展に尽くした人に稲盛財団から贈られる賞で、受賞者が後にノーベル賞を受賞することもあります。発見から20年が経ち、その功績が注目されているのです。
また、太陽系外惑星は近年、発見数が急増していることでも注目されています。特に2014年には800個以上の発見が新たに確定しました。今年、2015年もさらなる増加が期待されます。2013年までの総発見数は1200個に満たない程度。なぜ発見数が急激に増えているのでしょうか。そしてその中に、生命が存在する地球のような惑星はあるのでしょうか。
太陽系外惑星の見つけ方「トランジット法」
近年の発見数急増の立役者は、探査衛星「ケプラー」。2009年にNASAによって打ち上げられ、「トランジット法」という観測方法で次々と系外惑星を見つけています。恒星の手前を惑星が通過(トランジット)するときに、恒星の一部が隠されて暗くなることを観測する方法です。先ほどのグラフでは、緑色で表されているのがトランジット法によるものです(ケプラー以外の発見も含む)。 (一方で、1995年のマイヨール氏は、「ドップラー法」という別の方法で系外惑星を発見しました。こちらは、また別の機会に解説いたします)