太陽系外惑星が次々と発見されているのはなぜ? 地球に似た星はあるの?
トランジット法を理解するために、頭の中で宇宙旅行をしてみましょう。地球から太陽の正反対方向に飛び立ち、しばらく進んで宇宙から太陽方向を振り返った場合を考えてみます。太陽の一部を地球が隠し(地球による「金環日食」のような状態ですね)、太陽は少し暗くなっています。太陽の周りを回っている地球は、時間が経つと太陽の手前から外れ、また1年後に同じ場所に戻ってきます。つまり、この場所から見る太陽は、1年ごとに地球が横切るため暗くなるのです。
遠くに輝くたくさんの恒星を観測すると、同じように定期的に暗くなっている星を見つけることができます。この明るさの変化から、太陽系外惑星の存在に迫るのです。 打ち上げから5年が経った2014年に発見数が急増した理由も、トランジット法と大きな関係があります。「恒星の手前を惑星が横切った」と断定するためには、恒星が周期的に3回以上暗くなることを確認する必要があるためです。大きな黒点が発生したり、全く関係ない小天体がたまたま手前を横切ったりした可能性を排除していくのです。また、観測によって得られた膨大なデータを解析する時間も必要です。残念ながらケプラーの運用自体は故障により大幅に縮小しましたが、今後もたくさんの太陽系外惑星の存在確定が期待されています。
地球に似た星は?
地球にそっくりな惑星の発見も、現実味を帯びてきています。ケプラーは観測の精度が高く、小さい惑星が横切った場合のわずかな光の変化も検出できます。小さい惑星が多く発見されるようになり、地球サイズの惑星が決して珍しいものではないことが分かりました。
トランジット法では、惑星が横切る周期や暗くなる度合いなどのデータから、中心にある恒星からの距離を計算し、惑星の温度などの環境を推定していくことができます。これまでに見つかった惑星の中には、2011年に発見が発表されたケプラー22bをはじめ、液体の水が存在できる環境にありそうな天体があります。