アラサーの兄の手取りは「月22万円」だそうです。これは「平均的」な額ですか? 「税金・保険料」はどの程度引かれているのでしょうか?
会社に勤務して10年ほどが経つアラサー世代は、さまざまな仕事を任されるようになる年頃です。アラサーで手取りが22万円となると、少ないのではと心配になる人もいるでしょう。 しかし、手取り22万円といっても、給料を22万円しかもらっていないわけではありません。さまざまなものが引かれて最終的に手元に残る金額が手取り額です。 そこで今回は、手取りの定義や手取りは何を引いた額なのかについてご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
手取り額とは
会社からもらう給料には、「月給」「月収」「手取り」「額面給与」など、さまざまな言い回しがあります。それぞれ何が異なるのか明確に理解していない人も少なくないでしょう。それぞれの定義は表1のようになります。
なお、月収は額面給与、手取りは可処分所得ともいわれることがあるため、覚えておくとよいでしょう。手取りは自分の自由になるお金であり、消費が手取りよりも多くなれば「赤字」、少なければ「黒字」となります。
手取り月22万円の月収(額面給与)
手取り月22万円の場合、実際に会社からもらっている月収(額面給与)の額はおよそ25万8824円~29万3333円です。 これは一般的に、月収の75%~85%が手取り額になるといわれているためです。実際に計算すると、22万円÷75%×100は約29万3333円、22万円÷85%×100が約25万8824円(小数点以下を四捨五入)となります。 なお、社会保険料や税金は家族構成や居住地、勤務先などによって異なる可能性があるため、同じ月収の人でも必ずしも手取りは同じとは限りません。
30代で手取り22万円は平均より少ない?
30歳前後で手取り月22万円は、平均と比べて少ないのでしょうか?令和4年賃金構造基本統計調査を基に、10人以上の企業規模の会社に勤務する同世代の平均年収を表したものが表2です。
※総務省統計局「令和4年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成 賞与や変動手当を加味せずに税金や社会保険料が15%~25%引かれるとすると、手取りは25歳~29歳と30歳~34歳だと以下の通りとなります。 ・25歳~29歳:21万1275円~23万9445円 ・30歳~34歳:23万5575円~26万6985円 上記から、手取り22万円は20代後半の手取りと同じくらいとなり、30代と比べるとやや少ない可能性があります。ただし、30代以降、会社で役職に就いてキャリアアップなどができれば、平均と同じくらいまたはそれ以上になるケースもあるでしょう。