いまネットで買える「格安ウエディングドレス」が増加中…その思わぬ落とし穴
結婚式を挙げない人が増える一方で…
昨今はコスパを重視する価値観が広まってきたこともあり、結婚式を挙げないという選択をするカップルも増えている。 「ブライダル業界は4年前のコロナ禍で打撃を受け、親族のみのゲスト30名程度で少人数の結婚式にしたり、物価高の影響を受けてできるだけ安く費用を抑える結婚式にしたり、はたまた『結婚式を挙げない』と選択するカップルも増えました」 「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、ゲスト20~30人未満の結婚式の平均総額は236万2000円だそうだ。 しかし、結婚式を挙げるカップルが減少したことにより、現在では結婚式の希少性が増し、結婚式を挙げることの価値が再注目されているという。 「ゼクシィ 結婚トレンド調査2024」によると、招待客人数の平均は52.0人で、前年調査比105.9%と増加傾向が見られている。 「最近では、ゲスト数30名から60名程度の規模感でのご相談が増えている状況で、ブライダル業界は盛り返しの兆しが見え始めているんです。それにはSNSの存在が大きいと感じています。インスタグラムを中心に、SNSで投稿されるご友人などの結婚式の様子を見て、『結婚式って素晴らしい』という価値が再認識され始めているようなんです」
業界内での二極化が顕著に?
再び盛り上がりの兆しを見せるというブライダル業界。今後はどのように推移していくだろう。 「これからは、人気の高い式場はさらに注目されるようになり、一方でいまだ落ち込んだ経営状況から巻き返せていない式場はさらに衰退するという、業界内での二極化した構造が顕著になっていくと推測しています。 また、実は業界内では、相談に来たカップルに『この場で予約を決めてくだされば40%オフします』と伝え、他社と金額を比較させないようにして式場予約の即決を促す販売方法が一般的になりつつあるんです。そういった即決割引や囲い込み戦法といった販売戦略が、さらに目立つようになるかもしれません」 逆に考えると、通常価格は40%オフにしても利益が出るくらいの価格設定にしているということか。 ―――コロナ禍や近年の物価高など、時代の状況に大きく左右されるブライダル業界。現在はまだウエディングドレスのレンタル料は数十万円と高額だが、それも時代の変化とともに変わっていくのかもしれない。 (取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio)
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