来年6月開幕「サッカーW杯」 “史上最強”日本代表が絶対に避けたい「地獄のグループ」とは
厳しい第1ポット
アルベルト・ザッケローニ監督は、試合後に開催地のホテルに宿泊して食事を摂ることを選択したが、ベスト16に進出した強豪国はその日のうちに飛行機でベースキャンプに戻り、選手のコンディション調整に努めた。 宿泊すると翌日を移動で費やしてしまう。試合後の移動はハードでも、その日のうちにホテルへ戻って休養し、翌日は次の試合に備えてトレーニングしたほうが良かったのか。こればかりは、いまとなってはわからない。 そして重要なグループ分けだが、カギを握っているのがFIFAランクである。北中米W杯の組分け抽選会は、参加48チームをFIFAランクに従い12チームずつ4つのポットに振り分けられて行われる。第1ポットには開催国であるアメリカ、カナダ、メキシコが入り、その後はFIFAランクに従い9位までがシードされる。 2024年11月28日現在、FIFAランクでは、前回優勝国のアルゼンチンが1位、準優勝のフランスが2位で、以下スペイン、イングランド、ブラジル、ポルトガル、オランダ、ベルギー、イタリアと続いている。欧州と南米の強豪が名前を連ねる、順当な顔ぶれだ。 次が第2ポットで、こちらには10位から21位までが入ることになっている。現在、日本のランクは15位のため、第1ポットに入るには6ランク順位を上げなければならない。
地獄のグループA
残りのW杯予選を全勝してもこれは至難の業だろう。残り3試合、日本がW杯出場を決めたら、森保一監督はメンバーを入れ替える可能性も考えられる。まずはしっかりと勝点を奪い現在のランクを維持することが重要だろう。あとは9月以降に予定されているIMD(インターナショナル・マッチデー)でも勝点を稼いで第2ポットを死守したいところだ。 そして各グループ分けだが、現在のところグループAにメキシコが、グループBにカナダ、グループDにアメリカが入ることは決まっている。そこでなんとしても避けたいのが、メキシコと同じグループAに入ってしまうことである。 メキシコの首都メキシコシティは標高2000メートルを超えるため、高地順化・高地順応しないで急激な運動をすると高山病にかかる危険がある。かつて68年メキシコ五輪に出場した日本は(銅メダルを獲得)、メキシコ入りする前に富士山で高地順化した。86年にメキシコW杯を取材した際も、現地入りして1週間は地下鉄の階段の昇り降りで息切れした記憶がある。 グループAに入ってしまうと、グループステージはメキシコシティ、グアダラハラ、モンテレイ、アトランタと2か国にまたがった移動と高地順化というハードルが待ち受けている。アメリカ国境に近いモンテレイは盆地のため高温多湿というハードルも待ち受けている。