部屋に響いた長女の悲鳴──山田ルイ53世、娘に“正体”を明かした一世一代の「ルネッサンス」
さらには、「パパがおしごと行くと帽子(シルクハット)が1つ減るもん!」と名探偵ぶりを披露し、とどめとばかりに、「『天てれ(天才てれびくん)』でよその子とけん玉やってた!」「『ミヤネ屋』とか『グッとラック!』とか出てたじゃん!」と畳み掛けてくる娘。 タジタジの父などお構いなしで、「(テレビ画面に映る筆者を目にし)パパだ、パパだー!って叫んでたねー!」とのんきに懐かしむ妻に、「そうそう! ママは、『似てる人だよ!?』って何回も言って焦ってたけどねー!」と応戦し、盛り上がっている。 2人の会話を整理すると、少なくとも幼稚園の年長……5歳か6歳の時分には、芽生えた疑惑が、確信へと育っていったようだ。
コロナ禍、牙をむいたiPad
身もふたもないが見たというなら、どうしようもない。だいたい、当方しがない一発屋。「どのチャンネルをつけても」「毎日のように」といった派手な露出とは無縁である。ここはわが子の観察眼、成長ぶりを褒めておくべきだろう。 ……と心の中で白旗をあげていると、先ほどまで一切の容赦がなかった娘が、「あとさー……」と何やらモジモジと歯切れが悪い。 やましいことでもあるのか。怒らないから、言ってごらんと先を促すと、 「iPadで1回“山田順三(筆者の本名)”って調べた!」 (えぇぇぇぇーーーーーー!?) ……衝撃の事実である。 このコロナ禍で一気に推し進められた感のあるリモート学習。その肝たるアイテム、タブレットが学校から配られたときは、便利だね、ありがたいねと親としても歓迎したものだが、こんな形で牙をむかれるとは恨めしい。 何より、“偶然見聞きした”というならまだしも、わが子が自らの意思で父のことを調べていたという事実に、動揺してしまった。 一方、後ろめたさから解放されたのか、「そしたら、テレビに出てるパパがいっぱい出てきたから、やっぱりアタシの言ってることウソじゃないって!」と再び胸を張る娘。「パパがイヤかなと思って、履歴はすぐ消したよ?」と筆者を気遣う余裕さえ見せる。……小4恐るべしといったところか。