結論:ノートパソコンの「充電しっぱなし」はやめましょう(ただし、メーカーで見解が異なる)
充電・放電サイクルと電圧レベル
リチウムイオン電池は、セルあたり4.20ボルトまで充電されると、充電100%に相当します。このレベルでは、バッテリーは300~500回放電を繰り返すと寿命が尽きます(放電サイクルが300~500回ということ)。 セル当たり0.10ボルト減らすと、放電できる回数が2倍になります。セル当たり3.90ボルトで放電サイクルは2400-4000回となり、これが最適なレベルです。 残念ながら、このレベルでは、バッテリーは60%ぐらいしか充電されていないので、ノートパソコンを使用できる時間は、100%充電したバッテリーの半分より少し長い程度になります。
高温は絶対NG
高温もバッテリーの大敵です。通常、30度以上の高温は、ほかの要因とは無関係にバッテリーの寿命を短くします。 たとえば、夏の日にノートパソコンを車中に放置するのは絶対にやめましょう。高温のストレスと高電圧のストレスが一緒に加わると、その悪影響はさらに強力になります。 Battery Universityの調査で、40%充電されたバッテリーを40度で保存すると、1年後にはバッテリーの容量が85%まで低下することが実証されています。 同様の条件で100%充電した状態だと、容量は65%に低下します。100%充電されたバッテリーを60度で保存すると、その容量は、わずか3か月で60%まで低下します。 研究結果により結論は明確です。バッテリーを100%充電した状態にしておくと、バッテリーの寿命はゆっくりと短くなります。100%充電した状態で高温にさらすと、さらに速い速度で寿命が縮まります。 ところで、高温は環境に原因があるものだけではありません。 ゲームやビデオ編集などのノートパソコンのリソースを集中的に使用するタスクを行なうと、大幅に熱くなりますし、ノートパソコンを枕の上で使用したり、低機能ケースに入れて使用しても、放熱されないので、良くありません。 ノートパソコンが熱くなりすぎるようであれば、バッテリーのためにも修理したほうが良いでしょう。