全会一致で橋本聖子氏を推挙 自賛した「透明性」に記者から質問相次ぐ
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の新会長に、五輪担当相だった橋本聖子氏が18日の組織委理事会で選任された。女性蔑視発言による森喜朗前会長の辞任表明を受けて設置された候補者検討委員会は、全会一致で橋本氏を推挙した。新会長就任後に開かれた会見で、御手洗富士夫座長は「オープンな選考だった」と説明したが、記者からは透明性をめぐる質問が相次いだ。 【動画】橋本聖子新会長が会見「組織委の信頼回復に努めたい」
7人中6人が「橋本氏」の名前挙げる
「非常に透明度の高い手法で新しい橋本会長が誕生した」。御手洗座長は会見でこう語り、選考過程に胸を張った。 新会長の選考が行われたのは、森前会長の辞任を受けて設置された候補者検討委員会。そこで推挙された候補を理事会で新会長に正式決定した。 検討委員会のメンバーは8人で、座長には組織委名誉会長でキヤノン会長兼社長最高経営責任者(CEO)の御手洗氏が就任。ほかのメンバーはアスリート出身者らで構成するなどと報じられたが、当初は非公表とされていた。 検討委員会のメンバーについて、御手洗氏は「まず男女同数にする」ことを念頭に置き、国や東京都、JOCなどに関係する理事も入れたと説明した。 検討委員会は新会長を選任した18日の会合を含めて計3回開かれた。 2月16日の第1回会合では新会長に求められる5つの条件(五輪への造詣、ジェンダー平等への認識、国際的な活動経験、東京大会の経緯への理解、調整力など)を設定し、第2回(同17日)ではそれを踏まえて具体的な人選に入った。 御手洗氏の説明によると、同氏を除く7人のメンバーから新会長にふさわしいと思われる人を挙げてもらった。複数回答した人もいたため、候補としては9人の名前が挙がったが、7人中6人が橋本氏の名前を書いたという。そして、全員一致で「橋本氏が新会長にふさわしい」との結論になった。議論の中では、新会長の資質として「政府やIOC・IPCとの調整力」「国際的な知名度」などを求める意見が出たという。 第2回会合後、御手洗氏が橋本氏に内々に打診したところ、即答は得られなかったが、翌18日の昼過ぎに受諾する旨の返事を得て、同日午後の理事会で橋本氏を新会長に選任した。御手洗氏は、橋本氏は5つの条件に「ぴったりとした人」だと自賛した。