全会一致で橋本聖子氏を推挙 自賛した「透明性」に記者から質問相次ぐ
「出来レースでは」「投票制の方が」
橋本氏選出の透明性を強調した御手洗氏だったが、会見の質疑では記者から「出来レースに見える」など透明性に疑問を持つ質問が相次いだ。 「1時間半の会合で議論は尽くされたのか」との問いに、御手洗氏は、その前の5つの条件を設定する段階から「いろんな議論をしてきた」と反論。「期せずしてほとんど大勢は橋本聖子さんだった」ことから、「あとは一人ひとりが橋本さんへの感想、要求などを述べるだけになった」と経緯を説明した。 「選考メンバーに外部有識者を入れてもよかったのでは」「理事会での投票制の方がよかったのでは」との質問も出た。それらに対しては「緊急で1日を争うくらいの猛スピードでやらないと。外部の人選をするまでの余裕はなかった」「時間があれば、35人いる理事の中から立候補してもらって議論するのも一つの方法だが、ワイワイガヤガヤになって、ノミネートされた人が引き受けるか分からない。混乱を招くことが容易に想像できた」などと答えた。 さらに「35人(の理事)の代表として(検討委員会メンバーに)直接的、間接的に関係のある8人を選んだ。効率的という意味でも良かった」「最終的に決定するのは理事会で、そのときに理事が意見を言うチャンスはある。終わった後にメンバーの名前も公開した。ああいうシステムでも透明性は損なわれなかったと思う」と言い切った。 橋本氏以外に名前の挙がった候補の名前の公表については「立候補した人ではない。発表したらキョトンとする人もいるかも知れない」「橋本さんが選ばれたとなると、マイナス点があったということになるので人権問題になる」などと述べ、「名前は勘弁してほしい」とした。
「女性だから選考」ではないと強調
橋本氏という人選についても問われた。森前会長が女性蔑視発言によって辞任した経緯から「意図的に女性を選んだのか」との問いには、「女性だからという要素は、少なくとも我々は考えなかった」と否定。人物本位や実績を踏まえた人選だったと強調した。 また過去に報じられたセクハラ行為について意見は出たのかとの質問には「議論はなかった。国務大臣(五輪担当相)をやっているわけだし、社会的にも政府の中でも橋本さんの謝罪を受け入れて問題にしなかったと解釈している」とした。