【中継録画】文楽・人間国宝の豊竹嶋大夫さん 引退会見全文
【中継録画】文楽・人間国宝の豊竹嶋大夫さん 引退会見全文1 THEPAGE大阪
人形浄瑠璃文楽の大夫で人間国宝の豊竹嶋大夫さん(83)の引退会見が21日夜、大阪市中央区の国立文楽劇場で行われた。嶋大夫さんは「引退を決めた時、弟子たちの顔が浮かんだ」「私の命が続く限りは行く末を見守らせて頂いて早く立派な大夫になってほしい」と弟子への熱い思いを涙を浮かべながら話していた。その会見の全文と映像をお送りする。
大阪、東京で引退公演以外、詳細は未定
司会:では、まず私の方から本日の発表につきまして、これまでの経緯を簡単にご説明もうしあげます。もう皆様、すでにご存知のように、人形浄瑠璃文楽座の大夫、重要無形文化財、豊竹嶋大夫師匠が来年の正月、私ども大阪での国立文楽劇場、それから2月の東京国立小劇場における文楽公演で甚だ残念ではございますが、舞台を退くこととなりましたので、本日はそのための記者会見でございます。 師匠につきましては、今月の中旬に文楽協会に対しまして、来年の正月、2月の文楽公演限りでというお話がありました。大阪ではすでに正月公演の準備をすすめさせていただきまして、演目が決定する矢先のことではございましたんですが、もちろん協議会、振興会などと協議をいたしまして、ご本人の意思を確認させて頂きまして、残念ながら本日、現役引退と発表の運びとなりました。 そして、大変申し訳ございません。正月公演の発表を控えておりましたこともありましてですね、私ども1月の演目につきまして、再度ただいま選定をしなおしており、もちろん嶋大夫師匠の引退披露公演を用意させて頂いて、正月の大阪での文楽公演、2月の東京での文楽公演、引退ご披露の予定とさせて頂きます。 大阪、東京で引退公演をさせて頂くこと以外、詳細は未定でございます。まずご挨拶ということで、公益財団法人文楽協会の三田進一事務局長より、ごあいさつのほどよろしくお願いいたします。 三田:文楽協会の三田でございます。嶋大夫師匠は、昭和23年に豊竹呂太夫に入門。昭和30年退座されましたが、昭和43年、竹本春子大夫の門下として復帰され、八代 嶋大夫を襲名、のち、竹本越路大夫の門下となられました。平成6年からは大夫の最高位である切場語りとなられ、世話物を中心に、情感を込めた力いっぱいの語りで多くのファンを魅了してこられました。 先般、人間国宝の認定を受けられたところであり、このたび体力面の問題から引退を表明されましたことは残念でございますが、今後も引き続き持ち前の卓越した能力を発揮され、文楽の保存・継承に向けた後進の育成に鋭意取り組んでくださいますよう、お願いしたいと思います。 これまで長年にわたり積極的な舞台活動で文楽の発展、振興に多大のご尽力を賜りましたこと改めて感謝申し上げます。来年1月の大阪公演2月の東京公演を引退公演とすべく準備がすすめられていると伺っております、その節は存分に語っていただきますよう期待しております。本当に長い間おつかれさまでした。