【中継録画】文楽・人間国宝の豊竹嶋大夫さん 引退会見全文
年いってもそれなりの芸ができると私は信じてる
司会:ありがとうございます。そうしましたら最後に質疑応答を数件させて頂きたいと思います。 ──おつかれさまでございました。今回の引退を決意させたことですが、体力面の問題とおっしゃられました。師匠の口から理由と引退を決意された時期を教えていただけますでしょうか。 嶋大夫:えーと、体力については皆様がどうお考えになるかわかりませんが、いたって元気で、私現在83歳ですが、お医者様は切ったりはったりしてますけど、10年は若いかなとと言っていただいて。いつまでも若い気持ちは忘れないで、という。ですから、もう83だ、90が近いんだとかそんなことは毛頭ありません。 ──引退を決められた最大の理由は?いつごろご自分の中で決断されたか? 嶋大夫:引退を決めた率直な理由は、あの~まぁそうですねえ、ちょっと前に年の割には若いんですよと。僕ももう年とったんだなぁ、引退が近いんだなぁとね、折に触れて思います。これは80くらいから、80になったころから、ですからもう3~4年前ころから、なんとなく、いろいろな状況も関係していますからね。 自分のこと、あるいは動き、いろんな状況、それと体力的にいつまでもやれない。いつまでもやれないんだなと思いますけど、だから明日はどうなんだというんではないですよ。まだまだ当分やれるなと、これはもう忘れてません。年いってもそれなりの芸ができると私は信じてる。年寄りにしか出来ない方法もあると思う。まあ猛烈に引退を考えはじめたということではないです。なんとなくですね。 ──ファンの方にひと言お願いをしたいなと 嶋大夫:自分で思ってたよりもファンの方は相当心配されていると。どう心配されたかはわかりませんが、おっしゃることは皆さん同じで。お身体が悪いんじゃないですよね?と必ずおっしゃいました。うーん、まぁ、お年なんだけどお元気で舞台でのお声を聴かせていただくのを楽しみにしております、ファンはみんなそれを望んでいるとおっしゃって、今朝からずっと頂いてる。ありがたいことです。