日銀・黒田総裁会見4月27日(全文3完)2%目標は適切、引き下げは考えていない
達成できる根拠はどこにあるのか
朝日新聞:朝日新聞の【江渕 00:54:07】と申します。よろしくお願いします。2点ありまして、あらためて2%の目標についてなんですけれども、時間は掛かるけれども物価目標を達成できると考えているとおっしゃっているのですが、すでに8年で、残りの任期を合わせて10年で、政策を総動員しても困難であるということが分かってきたという中で、今後さらにコロナの下押し圧力があったりとか、政策の幅も今までよりも限られてくるであろう中で、今までよりももしかしたら困難ではないかという気もするんですけれども、それでも達成できるというふうにおっしゃる、その根拠がどこにあるのかということの説明をお願いします。 というのと、もう1つETFの買い入れの方針を見直されていますけれど、その後のマーケットの動きについてどう見ておられるか。あと、これが事実上の出口への一歩なのではないかという受け止めもあるようですけれども、それへのコメントをお願いします。 黒田:まず2%の物価安定目標につきまして、これまでの金融緩和政策がどのような効果を持ってきたかっていうのは、今回の点検でかなり定量的にも詳しく分析しておりまして、一定の効果を持ってきたっていうことははっきりしていますので、こういったことを粘り強く続けることによって2%の物価安定の目標を達成できるというふうに考えています。2%に達してないっていうことだけで言いますと、リーマンショック後、主要国の多くの国で2%に達していなかったわけですが、10年ぐらいたっても達していなかったわけですけれども、だからといって2%の目標をやめようとか、金融政策の効果がないというような議論はまったくありません。 それからETFにつきましては、今回の点検で明らかにしたように、市場が大きく動いたときに大規模な買い入れを行うことによって、市場の安定を回復できるということがはっきりいたしましたので、12兆円という、コロナの感染症の影響が始まったときに拡大した上限を、感染症の収束後までもずっと続けて、その範囲内でめりはりをつけてETFの買い入れを行うということで、ETFの買い入れの出口とか、そういうものではまったくないということであります。