異常気象にストップを。「脱炭素問題」最新情報、日本のCO2排出量4割占める建築分野のカギは”木造化と断熱化”。日本の気候テックに世界が注目 COP29
COP29会場での抗議活動。至る所で「Pay Up」アクションが行われた。
COP29を訪れた堅達さん。会場には、「1.5℃目標に整合するAMBITION(野心)が行方不明!」と書かれたポスターが。「行方不明の野心(猫)を見つけた報酬は、気候正義だと書かれています。先進国への皮肉がたっぷり込められたジョークですね」と堅達さん。気候正義とは、「温室効果ガス排出の責任が少ない途上国などの地域や将来世代が、真っ先に温暖化の被害を受けることの不公正」を正すことをさす言葉。
加えて、地球温暖化を抑えるために必要不可欠な「化石燃料からの脱却」について、具体的な進展は乏しいままでした。各国の温室効果ガスの排出削減目標など気候変動対策を評価した「気候変動パフォーマンス・インデックス2025」で、日本は58位という非常に低い評価を受けています。
「日本は、G7の中で唯一、石炭火力発電の全廃期限を設定していません。新興国であるインドネシアが2040年までの段階的廃止をCOP29で打ち出しているにもかかわらずです。イギリスも2035年までに81%削減という野心的な目標を発表し、注目を集めました。また、ブラジルも途上国でありながら高い削減目標を掲げています。日本がこれらに追いつくためには、エネルギー基本計画(※)やNDC(国別削減目標)(※)の見直しで野心的な目標を掲げることが不可欠です。特に遅れをとっている再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の普及について、目標を設定するだけでなく、実現可能な具体策を提示し、迅速に実行することが求められます」(堅達さん)
※エネルギー基本計画 国のエネルギー政策における中長期的な指針を示す計画。2002年に制定されたエネルギー政策基本法を基に、2003年に初めて策定され、その後おおよそ3年ごとに改定が行われている。 ※NDC(国別削減目標) 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)(※)に基づき、各国が提出する温室効果ガス削減目標。各国が独自に設定し、パリ協定の目標達成に向けて5年ごとに更新される。 ※国連気候変動枠組条約(UNFCCC) 1992年に採択された国際的な枠組みで、気候変動問題に対する世界的な対応を促進するために設立された。