「バレンシアガ」超高層シルエットで上海のビル群を描く アジア初のショーは大雨と熱狂と「アンダーアーマー」と
注目アイテムはショー後すぐ発売
テーラリングパートを終えると、アリババの電子決済システム「アリペイ(Alipay)」とコラボレーションした中国限定のTシャツを起点に、カジュアルパートへと移っていった。ワイドなトップスとタイトなボトムスのメリハリはさらに鮮明になり、特盛りプリントのスエット上下や、シアリングのボンバージャケット、ジーンズとトラックパンツをレイヤード仕立てにしたウエストコンシャスなボトムス、そしてソールが何重にも重なった靴底16cmという受注限定の超巨大スニーカーなど、アイテム単品の強さが増していく。
予告していた「アンダーアーマー」とのコラボも披露し、フーディー(21万8900円)やTシャツ(11万8800円)、スエットパンツ(19万8000円)、キャップ(7万1500円)など一部アイテムをショー終了後に先行発売した。フルコレクションは今年後半に販売予定だという。
新たな美を探求するアプローチ
ウィメンズでは、クロシェ編みやケーブル編み、クロコダイルやフォックスファーをプリントした鮮やかなドレスや、カジュアルなスタイリングを上下をデジタルプリントしたボディースーツといった、トロンプルイユの手法を多用する。プログラミングしたデータを基にダメージ加工を再現したストッキングなど、テクノロジーを組み合わせた手法も目立った。日常的アイテムには新たなシルエットを取り入れ、ビッグサイズのポロシャツの衿には芯地を入れてスタンドカラーにしたり、前身頃を二重にしたり、定番のトレンチコートやシャツは縦に大きく伸ばして短くカットしたり。キャミソールとスラックスは縫い合わせてオールインワンにし、垂直に近いシルエットを表現した。強いアイテム群に、23年スプリング・コレクションに開始した上質なプレタポルテのライン“ガルドローブ(Garde-Robe)”のジャケットやTシャツなどの新作も組み合わせた。