アストンマーティンの電動ハイパーカー「ヴァルハラ」の量産が間もなくスタート
英アストンマーティンは2024年12月11日(現地時間)、新型のミドシップハイブリッドスーパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」の開発が最終段階を迎えたと発表した。 【写真】最高出力1079PS、最大トルク1100N・mのプラグインハイブリッドスーパーカー、アストンマーティン・ヴァルハラの内装・外装を詳しく見る(9枚) アストンマーティン・ヴァルハラは、公道とサーキットの双方で高いパフォーマンスを発揮し、業界の基準を新たに打ち立て再定義すると紹介されるスーパーカーである。日本でも2022年11月にプロトタイプモデルが公開された。 最高出力1079PS、最大トルク1100N・mを発生するプラグインハイブリッドパワートレインを搭載。エンジンは最高出力828PSを発生する4リッターV8ツインターボで、これに合計最高出力251PSとなる3基の電気モーターを組み合わせる。トランスミッションは新開発の8段DCTで、リアに電子制御ディファレンシャル(E-デフ)が採用される。 2基の電気モーターはフロントアクスルに、3基目の電気モーターは8段DCTに組み込まれ、8段DCT内のモーターはリアアクスルのみに駆動力を供給。フロントアクスルとリアアクスルは接続されておらず、それぞれ独立しているのもヴァルハラの特徴だ。電気モーターは、いずれもパフォーマンスに特化したPHEV向けに設計された高性能バッテリー(HPB)システムによって駆動する。 HPBは560個のセルそれぞれを最適な温度に保つ効率的な誘電冷却システムを備えており、充電された電力を迅速に展開する能力、素早いエネルギー吸収能力、高いパワー密度を兼ね備えており、走行時には即座にフルパワーを引き出し、減速時には強力なエネルギー回収を実現するという。 新たなデザイン言語を取り入れたエクステリアは、エクストリームスーパーカーとしてのパフォーマンスを新しいフォルムとプロポーションで表現。強力なダウンフォースを生み出す革新的なアクティブエアロダイナミクスと融合している。開発や使用素材に関しては、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームのコンサルティング部門であるアストンマーティン・パフォーマンス・テクノロジーズが関与している。 ハイパーカー「Valkyrie(ヴァルキリー)」で得た知見をフィードバックしたアクティブエアロダイナミクスにより、240km/h時に600kgを超えるダウンフォースを生み出し、この数値は350km/hの最高速度に至るまで維持される。アクティブエアロダイナミクスは、速度が増すにつれてフロントおよびリアウイングの迎角を徐々に小さくすることでダウンフォースを調整。幅広い性能域にわたって空力バランスを一定に保つ効果を果たす。 先進的なインテグレーテッド・ビークル・ダイナミクス・コントロール(IVC)は、サスペンション、ブレーキ、ステアリング、アクティブ・エアロダイナミクス、パワートレインシステムを統合。IVCと連動するドライブモードは、デフォルトの「スポーツ」と、「ピュアEV」「スポーツプラス」「レース」の4つから選択できる。ピュアEVモードではフロントアクスルのモーターのみで駆動。最大14kmのEV走行が可能で、最高速度は140km/hに制限される。 ヴァルハラは999台のみの限定生産で、納車は2025年下半期に開始される予定。 (webCG)
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