マガジンハウスの広告増と新たな挑戦
2024年1月からマンガを本格書籍化
そのマンガ部門については関谷武裕・漫画編集部長に聞いた。漫画準備室が2023年4月から名称を変えて新たにスタートを切ったのが同部署だ。4月に1人、6月に1人とスタッフも増え、現在は関谷部長を含めて4人の体制だという。 「マンガの作品はこれまで、『アンアン』や『ポパイ』などのウェブサイトで連載をしてきましたが、23年6月に『SHURO』という漫画のウェブサイトをローンチしました。引き続き雑誌のウェブサイトにも掲載しつつ、『SHURO』でもマンガを公開していきます。 その『SHURO』公開の作品から、24年1月より紙の本と電子書籍で書籍化を行う予定です。1月に出るのは2冊で、1つは『anan web』と『SHURO』に掲載されていた、まんきつさんの『そうです、私が美容バカです。』という美容マンガ。もう1冊は、『& Premium.jp』と『SHURO』に掲載されていた堀道広さんの『金継ぎおじさん』です。 毎月刊行と決めているわけではないのですが、2月も2冊出版予定です。いずれもストーリーマンガで、1つは世良田波波さんの『恋とか夢とかてんてんてん』です。これは『SHURO』にしか掲載されておらず、しかも『SHURO』で一番PVも多く読まれている作品です。 もうひとつは『GINZA WEB』と『SHURO』に掲載されている南Q太さんの『ボールアンドチェイン』です。この作品は電子の単話売りも各ストアで始める予定です。他の作品も含めて将来的に単話売り連載の形も考えています。 今ちょうど電子書籍のストアさんといろいろ話し合いながら進めています」 関谷部長は、もともとリイド社でコミックの編集をしていて2021年秋にマガジンハウスにヘッドハンティングされた人だ。マガジンハウスにはマンガ作りの土台がなかったので、いわばゼロから立ち上げをしてきた。それがようやく本格的にスタートしつつあるわけだ。 いわゆる異世界ものを手がけてきた編集者が入社したので、24年2月頃からは異世界ものの作品も登場するという。 「単話売りが好調な、男性向き・女性向き『なろう系』エンタメ作品と、マガジンハウスらしい、岡崎京子さんや高野文子さんのような作品、実用書的コミック、その3つの路線を作ります」(関谷部長)