岸田首相が会見 臨時国会が閉幕(全文3完)衆院10増10減、法に基づき取り組む想定
なぜオブザーバー参加すると米国との信頼関係が構築できないのか
江川:フリーランスの江川紹子と申します。よろしくお願いします。さっきの中国新聞の方の質問のお答えがちょっとよく分からなかったので確認をしたいのが1つあります。それは核兵器禁止条約のオブザーバー参加の問題で、まずはアメリカと信頼関係をと、構築していくということをおっしゃったんですけれども、なぜオブザーバー参加をするとアメリカとの信頼関係が構築できないのかというのがよく分からなくて。ドイツができるのに日本の岸田首相ができないはずがないというふうに思うのですけれども。 岸田:それは、ドイツはどういった形でオブザーバー参加をし、そして米国と信頼関係を築くのか、それは承知しておりませんが、日本としてはバイデン大統領との間、バイデン大統領自身も自らの大統領選挙において核兵器のない世界を目指すと、これを明言された大統領ですので、そのバイデン大統領との信頼関係を築くことによってアメリカ自体も動かすことができるのではないか、日本もその信頼関係をつくることによってしっかり役割を果たすことができるのではないか、こういったことを申し上げています。 オブザーバー参加についてはいろいろな意見があります。それについても、まずは信頼関係をつくってからオブザーバー参加ということについても考えるべきではないか、先ほどもあったように、私自身、対面での首脳会談、ぜひ実現したいと模索しているところですので、今の課題も含めて、まず信頼関係をつくってそれから考えたいということを申し上げさせていただいております。
国内の人権状況についてどう考えているのか
江川:いや、それでその外交なんですけれども、私がこれから伺いたいことは、その外交のテーマに人権というのがすごく大事なテーマになってきておりますね。先ほどもおっしゃいました。首相補佐官に国際人権問題担当の方も置かれたということもありました。人権という普遍的な価値観を重視していくというのは私もすごく大事だと思います。 同時にそうなると、日本の国内の人権状況も気になるところでありまして、例えば他国の人権状況について意見をすれば、お宅はどうなのかということにもなるわけです。例えば入管の収容施設で命や人権に関わる問題が起きているとか、あるいは収容の判断に司法の関与がなされるべきだとか、あるいは難民と認められるべき人が認められていないとか、いろんな指摘がございます。それ以外にもいろんなさまざまな人権問題があり、この日本の人権、国内の人権状況についてどうお考えになるのか、そして、国内の人権問題担当の補佐官も置いて、国内の人権についての施策をより重視していくというお考えはないでしょうか。よろしくお願いします。 岸田:ご指摘は大変重要なことですし、だから人権担当の補佐官を設けた、これは別に外国に対して物を言うだけのための補佐官ではなくして、人権問題は国の内外に関わる、それから各省庁の所管にまたがる大変幅広い課題でありますので、国内においても、そして海外においても、この省庁の縦割りを排して、この問題に取り組むために、総理の下に人権担当の補佐官を置いたということですので、問題意識は、今おっしゃったこと、私も共有をしています。 現実、なかなかこの人権問題、大事であるが故にこれは難しい課題がたくさん山積をしています。ただ、そういった問題に対する問題意識はしっかり掲げながら、できるだけ多くの方々の力もいただきながら少しでも前進させるべく努力をしていきたい、このように思っています。1つ1つ、そういった課題に取り組んでいきたいと考えます。 江川:じゃあ補佐官は外向きではなくて、国内も含めての補佐官だということですか。 岸田:だから、省庁ってほとんど国内の省庁ですから、そういった課題はいろいろ持っています。こういった課題も含めてしっかり考えてもらいたいと思っています。 司会:それでは最後の質問。では、西村さん。