Amazonが「Prime Video」に販売事業者向けのショッパブル広告。動画配信+買い物広告の新たな3サービスとは
ショッパブル広告の広まり
他の動画ストリーミング配信事業者も近年、ショッパブル広告を導入し始めています。これを受けて、Amazonは声明で「新しい広告フォーマットは他社と競合するなかで優位性があります。『Amazon Ads』の広告フォーマットは、たとえばQRコードを掲出する広告をはるかに凌駕(りょうが)するものです。視聴者は好みのストリーミング動画を楽しみつつ、広告主のブランドとつながることが容易になります」と言います。 ショッパブル広告は、一部の大手オンライン小売事業者(ECプラットフォーマー)にとって、プラットフォームのオプションサービスとして成長しています。Amazonがこの分野に進出したのも、これが初めてではありません。Amazonは2023年、初めてブラックフライデーにNFL(アメリカンフットボールリーグ)の試合をストリーミング配信した際、ショッパブル広告をテストしました。 ■ Disneyは「Hulu」でテスト開始 競合する動画ストリーミングサービス配信事業者も、広告オプションを取り入れつつあります。2024年1月、Disneyは「Hulu」でのベータプログラムを発表しました。Disneyはベータプログラムの発表当時、「消費者は動画ストリーミングの視聴を楽しみながら、『Hulu』内の新しいゲートウェイショップを通じて商品を購入することができる」と説明します。 視聴者には、プッシュ通知やEメールを通じて携帯電話に送信される、パーソナライズされた広告を表示。Disneyは動画ストリーミング事業に参入して以来、動画ストリーミングにおけるインタラクティブなショッピング機能を推進させてきました。 Disney Advertisingのアドレスエイブル セールス担当上級副社長であるジェイミー・パワー氏は1月、次のようにコメントしています。 ┌────────── 動画ストリーミング事業の広告における目標は、視聴者がストリーミング中の動画コンテンツを中断することなく、最小限の手間で、好きなブランドとつながることができるようにすることです。(パワー氏) └────────── ■ 米大手チェーンが次々と市場参入 米スーパーマーケット大手のWalmartと、米ホームセンター大手のHome Depotも、ショッパブルTVを試みています。 Walmartは2023年11月、情報通信業を営むNBC Universalと契約を結び、NBC Universalが運営する動画配信サービス「Peacock TV(ピーコックティービー)」にショッパブル広告を掲載しました。この広告で、消費者は米国でケーブルネットワーク事業を展開するBravo TVの、一部の番組で紹介されたWalmartの商品を購入することができます。 Home Depotは2023年、自社で生産設備を持たない液晶テレビメーカーVizioとのブランドコンテンツシリーズを発表しています。