「金融緩和見直しは当面考えられない」日銀・黒田総裁会見12月20日(全文2)
市場としては唐突感や驚きがあるのでは
記者:毎日新聞の記者の岡といいます。私も変動幅の拡大についてお伺いしたいんですけれども、先ほどの質問でもありましたけれども、総裁や幹部は今まで変動幅の拡大について緩和効果を損なうとか、あるいは事実上の利上げであるという発言をされていて、ご説明は分かる部分もあるんですけれども、それが突然、円滑化のためで全体を強化すると言われても、やはり市場としては唐突感や驚きがあると思いますし、これは結局、修正の一歩なんじゃないかとか、あるいは、これからもあるんじゃないかと考える人たちも中にはいると思うんですけれども、今までのコミュニケーションと、今後、もしそうではないというのであれば、どういうふうにそれを示すのかという、今までと今後のコミュニケーションの在り方について、マーケットとのコミュニケーションの在り方について考えをお願いします。 黒田:それは冒頭でも申し上げたとおり、また公表文でも述べられているとおり、イールドカーブのゆがみを是正することによって企業金融に良くない影響がこないように、市場を改善することによって金融緩和の効果がよりスムーズに企業金融を通じて経済全体に波及するということを考えて行ったわけであります。 また、そのタイミングについても先ほど申し上げたように、春先から世界的な金融資本市場のボラティリティが高まっていたわけですけども、それが一時、低下したように見えたのに、またこのところ非常に高まって、イールドカーブのゆがみというのが非常に強くなってきているということを踏まえて、今回、イールドカーブ・コントロールの一部の手直しをしたということ。これはあくまでもイールドカーブ・コントロールがより良く、安定的に機能するようにしたわけでありまして、何も、いわゆる金利引き上げとか金融引き締めとか、あるいはYCCの見直しとか、そういうことではなくて、むしろYCCがより良く機能するように市場機能の改善を図ったと。それは先ほど申し上げたようなタイミングを見て、まさに行ったということであります。