2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上 高齢者の生きがいにもなっている「UDe-スポーツ」に大学も熱視線
「ごちゃまぜの世界」の楽しさを伝えたい
池田さんの目標は、UDe-スポーツの導入施設をまずは1000施設にまで増やすこと。UDe-スポーツをもっと気軽に楽しめるような新商品も考えており、タブレットでプレーできるアプリの開発を進めています。リリースは2024年秋を予定しています。 池田「たとえば、地方から東京に出て行った子どもが、熊本の親御さんにUDe-スポーツのアプリを入れたタブレットを持たせてあげるんです。親御さんは東京にいる子どもや孫たちとオンラインでゲームを楽しむことができます。 タブレット版のUDe-スポーツには認知機能を遠隔で見守る機能をつけますから、注意力や判断力が落ちてきた場合は離れた家族にアラートを飛ばすことで早期受診につなげることもできると考えています」
UDe-スポーツがさらに全国に広がれば、子どもから高齢者まで、障がいの有無も関係なく、一緒に混ざり合って遊ぶ世界が実現するでしょう。 池田さんはこれを「ごちゃまぜの世界」と表現しています。この「ごちゃまぜの世界」を、UDe-スポーツを通して実現していくのが池田さんの夢です。 池田「理学療法士として働いていた僕でさえ、eスポーツの事業を始めるまで重度の障がいがある方と交流することはおろか、見かけることもほとんどありませんでした。 社会の支援が手厚くなった分、障がいがある方とない方の生活の場がはっきりと分けられているからです。 でも、eスポーツやUDe-スポーツという“共通言語”があれば、一緒に遊んでお互いを知り、仲良くなることができる。 これまで『自分が働く』イメージを持てなかった重度の障がいのある方が、ゲームを通じて他者と交流し、パソコンの操作を覚え、仕事に就くといった事例も出てきています。 『ごちゃまぜの世界』は楽しいし、大きな可能性に満ちている。そのことを、これからも広めていきたいと思います」 【編集部注】記事の中の情報は取材時(2024年7月)時点のものです。 執筆・編集:横山瑠美 撮影:松永育美 デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)