2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上 高齢者の生きがいにもなっている「UDe-スポーツ」に大学も熱視線
新型コロナウイルスの感染拡大で翻弄された、医療・介護業界。病院や施設にいた高齢者や障がいのある人たちは、面会制限によって外部とのコミュニケーションが大幅に制限。レクリエーションが中止となり、遊びや他者との交流の機会も奪われました。 そんななか、理学療法士の池田竜太さんは業界に楽しさを取り戻したいとリハビリ施設を退職し、年齢や性別、障がいの有無に関係なく楽しめる「UDe-スポーツ」を考案します。 「UDe-スポーツ」によってプレーヤーに起こっている変化、自治体や施設だけでなく大学からも注目される「UDe-スポーツ」の可能性と今後のビジネスの展開について聞きました。
【池田竜太 RYUTA IKEDA】 株式会社ハッピーブレイン代表取締役/UDe-スポーツ協会代表理事/理学療法士 1984 年熊本県山鹿市生まれ。熊本リハビリテーション学院(現:熊本総合医療リハビリテーション学院)卒業後、理学療法士として病院や介護施設などで約15年勤務。 2020年4月に退職し、同年8月に合同会社ハッピーブレイン(熊本県合志市)を創業。年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もがいっしょになって楽しめる新しいeスポーツ「UDe-スポーツ」を考案し、普及に努めている。 2021年5月に株式会社に改組。熊本eスポーツ協会公認指導員。
レクリエーションのマンネリ解消に
順調に導入先を伸ばし、今では全国120カ所で活用されているUDe-スポーツ。導入先として多いのは、病院や高齢者施設、障がい者施設です。導入の目的は、レクリエーションのマンネリ解消だと池田さんは言います。 池田「たとえばデイサービスでは、折り紙や塗り絵はしたくない、運動はしたくないから休みたい、と言って欠席する利用者さんが少なくありません。私の父は76歳ですが、将来デイサービスに行くことがあっても折り紙などはしたくないと言っています。 2025年には『団塊の世代』が全員75歳以上になります。 この世代の方々が施設を利用し始めるのを機にレクリエーションをアップデートして、施設の集客や利用者の欠席日数の減少にもつなげたいと考える施設は多い。そこにUDe-スポーツで貢献できたら、と考えています」