2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上 高齢者の生きがいにもなっている「UDe-スポーツ」に大学も熱視線
施設のスタッフのやりがい向上にも寄与
UDe-スポーツで変化するのは、プレーヤーだけではありません。高齢者や障がいがある方、子どもたちを支援する施設のスタッフにもいい影響が出ている、と池田さんは言います。 池田「ゲームを教えた利用者が、UDe-スポーツに生きがいを見いだしたり、やる気を出したりする様子を見て、仕事のやりがいが増した、という声を聞いています。 人手不足と高い離職率、コロナの影響などで介護の現場は非常に厳しい状況が続いていますが、目の前の支援する人が劇的に変わっていくことが、仕事のやりがいにつながっているようです」 UDe-スポーツに夢中になるのは、高齢者や障がいのある方だけではありません。障がいのない方やゲームが大好きな子どもたちも、このシンプルなUDe-スポーツに夢中になっています。 池田「簡単だからおもしろくない、すぐ飽きるということはないですね。逆に、シンプルでわかりやすいゲームだからこそ、もっといい得点を出せるのではないかと燃えるようです。 イベントで子どもや若者に体験してもらうと、みんな夢中になってプレーしていますよ。『最高得点は何点だよ』『さっきのおばあちゃんは何点を出した』と教えると、その点数を超えるまで何回でもやり続けるんです」
UDe-スポーツに関する大学との研究開始へ
UDe-スポーツは、プレーヤーの心身によい影響を与えると考えられています。手と頭を使うことで、脳の血流が増えるからです。人によってはボタンを押すのに足を使うことから、運動効果も期待できます。 認知機能の土台となる「注意力」に、よい影響を及ぼすことも明らかになりつつあります。 UDe-スポーツ協会が桜十字病院の協力を得て調査したところ、UDe-スポーツを6カ月間プレーした高齢者の7割以上でTMT-B(複雑な注意力の検査)の改善が見られました。 現在、桜十字病院の研究専門機関SACRA(桜十字先端リハビリテーションセンター)と連携し、さらに詳しい研究を進めています。 UDe-スポーツがプレーヤーの心身に及ぼすポジティブな影響には、大学も着目しています。現在、複数の大学から研究の打診が来ているのです。UDe-スポーツの効果について科学的な裏づけが得られれば、活用の場が今以上に増えていくかもしれません。