リテールメディア の勢いが止まらない。Cookie存続をよそ目に1500億ドル市場に
記事のポイント GoogleのCookie廃止計画がリテールメディアネットワークの成長を促進し、広告主は1stパーティデータに注目した。 広告主は1stパーティデータの信頼性を重視しており、Cookieの有無にかかわらず投資を続けている。 しかし、Googleの方針転換により、小売企業のアドネットワーク展開に歯止めがかかる可能性もある。
リテールメディアへの広告支出は1500億ドル超に
WARC(World Advertising Research Center)の調べによると、リテールメディアに使われる広告費は2024年内に全世界で1500億ドルを突破する。2023年の総額と比べて、180億ドル近い大幅増となる。小売企業の1stパーティデータはいまもその価値が高く評価され、マーケターに顧客の購買傾向に関するリアルタイムの情報を提供できることから、エージェンシー関係者は今後もこの成長ぶりが続くと見ている。 専門性の高いコマースエージェンシーのネットワークであるSMGでデジタルメディアの運用責任者を務めるキャレン・ジョンソン氏は、「GoogleのCookie廃止に関する最新の決定はちょっとした時間稼ぎ、あるいは一時しのぎにはなると思う。しかし、道はすでに始まっている」と述べている。 リテールメディアネットワークの目下のアピールポイントは、ブランドセーフな環境、1stパーティデータの宝庫、販売時点に近いところで広告を表示する機会などだ。GoogleのCookie黙示録はさておき、こうしたポイントはどれも事実だと、ザ・マーズエージェンシー(The Mars Agency)でデジタルコマース担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるイーサン・グッドマン氏は話す。同氏によると、広告主とオーディエンスをつなぐことにかけては、RMNはほかのメディアプロバイダーやメディアネットワークよりもはるかに道具立てが整っているという。 「Cookieが存続するか否かは別として、1stパーティデータはほかの多くのデータよりも優秀で質が高い」とグッドマン氏は指摘する。「我々のクライアントの多くは、今後のリテールメディアへの広告支出について、現在の水準で推移または増加すると予測している」(ただし、リテールメディアへの具体的な支出額は明らかにされなかった)。