リテールメディア の勢いが止まらない。Cookie存続をよそ目に1500億ドル市場に
GoogleのCookie廃止計画が追い風に
Googleが数年前にCookie廃止を初めて発表して以来、どの広告主もGoogleのCookieへの依存をいつかは断ち切らなければならないと分かっていた。やがてCookie廃止の期限が目前に迫り、代替IDソリューション探しにも本腰を入れざるを得なくなった。少なくとも一部のマーケターはそういう状況に直面した。一方、Cookie廃止のスケジュールがずっと確定しないままであったため、この6月までCookieを使い続けたマーケターも少なくなかった。 グッドマン氏によると、少なくともいまのところ、クライアントの広告費も関心もサードパーティCookieに戻っていない。注目すべきことに、マーケターたちはGoogleのCookieに関する今後の計画やユーザーがCookieによる追跡を許可するか否かについて先行きを読めずにいる。 リテールメディアの成長はGoogleのサードパーティCookie廃止計画によって加速し、マーケターの注目が1stパーティデータに集まった。いまやAmazon、ターゲット(Target)のラウンデル(Roundel)、ウォルマートコネクト(Walmart Connect)のような大手RMNは、セブンイレブン(7-Eleven)、ディスカウントストアのダラーツリー(Dollar Tree)、スーパーマーケットチェーンのハイヴィ(Hy-Vee)など、中小のRMNさらには地域的なRMNからの競争にさらされている。 米DIGIDAYは本稿執筆にあたって、CMX(CVS Media Exchange)、ウーバー(Uber)の広告事業、トリップアドバイザーメディア(TripAdvisor Media)、サムズクラブメンバーアクセスプラットフォーム(MAP)の4つのRMNに話を聞いた。GoogleのサードパーティCookie廃止撤回を受けて、広告主に対する訴求方法を見直す計画はあるか訊ねたところ、いずれも「ない」との回答だった。 サムズクラブMAPの戦略責任者であるライアン・バーンズ氏は、「ピッチの内容は従来通りだ」と述べている。「1stパーティデータを軸とする提案は、市場で何が起ころうとも揺るぎないものなので、何も変わらない」という。