ブラウン大学のママ教授が明かす「共働きが子どもの学力に影響を与える」説の真偽
共働き家庭の子どもは、太っている
母親の就労がテストの得点に与える影響とは対照的に、親が働いていることが肥満に与える影響は、もっと一貫している。両親が共働きの場合、子どもの肥満のリスクが高くなるようなのだ(4)。 ただし、テストの得点の場合と同様に影響はかなり小さい。そしてテストの点数と同様に、高学歴の母親の子どものほうが、肥満の増加が大きくなるようだ(ただし、これは初期の体重が少ないためかもしれない(5)。 研究者は、"なぜ"このような肥満の影響が見られるのかを掘り下げようとするとき、子どもたちが学校以外の時間に何をしているかに焦点を当てる傾向がある。 結局のところ、肥満はさほど謎めいたことではなく、食べる量が増えて運動量が減れば、一般的な体重増加につながる。つまり、ここでの仕組みを探すことは、働く母親を持つ子どもたちが、より多くのカロリーを摂取しているのか、それともより少ないカロリーを消費しているのか(あるいはその両方)を把握することに要約されるということだ。 これは概念としてはシンプルだが、実際には多くのデータが必要になる。母親の就労や子どもの体重に関する情報だけでなく、子どもの時間の使い方(具体的には「運動をしているか否か」)や何を食べているかなどの情報も確認する必要があるのだ。幸いなことに、少なくとも一部のデータソースがこの課題に対処できる。 一例として、『ソーシャル・サイエンス&メディスン(Social Science & Medicine)』誌に掲載された2014年の論文について考えてみよう(6)。働く母親を持つ子どもが肥満になる可能性が高いことを、初めて示した論文だ。影響は中程度で、労働時間が0時間から40時間になると、肥満のリスクが約4%ポイント増加した(この研究では、平均して約20%の子どもが肥満だった)。 論文では、具体的な行動にも目を向けている。働く母親を持つ子どもたちは、野菜や果物の摂取量が少なく、ファストフードと炭酸飲料の摂取量と、テレビの視聴時間が増えていた。実際には、集団遊びのようなレクリエーション運動による運動量は増えているようだが、テレビの視聴時間が増えたことで、座っている時間の多いライフスタイルになった可能性がある。