「断水しても、決して洗浄タンクに水を入れてはいけない。なぜならば…」防災トイレ専門家が<バケツ洗浄>のコツを解説
◆トラブルを感知するには汚水マスのチェックが有効 地面と建物では地震による挙動が異なるため、特に排水横主管が建物の外に出る部分や地下に埋設されている部分は、破断したり詰まったりする可能性が高くなります。 液状化により砂等が管内に流入することもあります。こうしたトラブルはどのように点検すればよいのでしょうか。 こんな時は、排水横主管が建物の外に出て下水道等に接続するまでに数か所設けられている点検口である「汚水マス」が役立ちます。 塩化ビニール素材の汚水マスのフタであれば、マイナスドライバー等で開けることができます。大きさは、片手が入るくらいのものから人が入れるほどのものまで様々です。 敷地内の汚水マスが隆起していないか、汚水マスや排水管がある場所が大きく地盤沈下していないか、汚水マスの内部に異常がないかどうかを確認しましょう。 異常を判断するには、平常時の状態を把握しておくことが必要です。汚水マスの位置、外観、内部の構造、汚水が流れている状況などを写真で記録して関係者で共有しましょう。 目視で外観や内部に異常がある場合は、水洗トイレを使用しないことをおすすめします。 ※本稿は、『トイレからはじめる防災ハンドブック 自宅でも避難所でも困らないための知識』(学芸出版社)の一部を再編集したものです。
加藤篤
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