仕事が速い人ほど、ビジネスメールの「言葉遣い」に無頓着である理由
ビジネスシーンで多くの人が悩む、メールの書き方。時候のあいさつや、言葉遣いを考えて、メール作成に時間をかかりすぎてしまうことも...。しかし一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗さんは、丁寧すぎる言葉遣いはかえって逆効果になることもあると語ります。本稿では書籍『なぜか仕事が速い人の ずるいメール術』から、効率的にスマートなメール作成をするためのポイントを紹介します。 【図】ビジネスシーンでよく使う敬語7選 ※本稿は、平野友朗著『なぜか仕事が速い人の ずるいメール術』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
気遣いフレーズの必要性
ビジネスメールとビジネス文書。名前は似ていますが、かたちや書き方は違います。ビジネス文書は、社内・社外とそれぞれに向けて使いますが、双方向にやりとりするコミュニケーションの側面が強いメールに比べると、情報伝達の側面が強いです。 ビジネス文書では、初めの部分に時候のあいさつを入れます。 ――立春の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。 時候のあいさつは、そのときどきの気候や天候に合わせて季節を表現し、相手の健康や無事、繁栄を祝う言葉を添えます。 こうした季節のあいさつや体調を心配するフレーズをビジネスメールにも入れた方がいい、メールには気遣いを盛り込むべきだと考える人もいますが、果たして本当に必要なのでしょうか。
かっこいいフレーズ探しで気づけばこんな時間...
確かに、あいさつは大切です。季節感を表す言葉から、豊かな心を思い浮かべます。気遣いのフレーズから、温かな思いやりを受けとります。そうしたフレーズがあることによってコミュニケーションを円滑にすることもあるでしょう。 しかしその「気遣い」のために、時間をかけてかっこいいフレーズ探しをしてしまった経験はありませんか。ネットや書籍で調べてみると、こうしたフレーズはたくさんでてきます。たくさんありすぎて、どれを使えばいいのか悩んでいたら、もうこんな時間! なんてことはよく聞く話です。